激安のアジアンタイヤ、話題になり始めたのは2007年ぐらいからだったでしょうか?
火付け役はたしか、台湾のメーカー、Federal (フェデラル)のSS595だったと思います。
最初の頃は、アジアンメーカーへの信頼度の低さ、安すぎる価格ゆえの不安感で、それはそれは不人気でした。
今では一定の評価がついていますし、ブランドも台湾、韓国だけでなく、インドネシアなどの東南アジア諸国の物も出回ってます。
私はフェデラルのSS595と、韓国のブランド、NEXEN(ネクセン)のN9000のみしか試したことないのですが、その2種類のタイヤのインプレを紹介しながら、これら激安タイヤの使い所を考えてみたいと思います。
*現在おすすめのアジアンタイヤのインプレは、こちらでしてます。
フェデラル SS595
アジアンタイヤの普及に貢献したのは、間違いなくこのタイヤでしょう。
数量限定特価!◆235/45R17◆フェデラル(FEDERAL)◆SS595 サマータイヤ
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当時の国産メーカーの、セカンドグレードのスポーツラジアル(ダンロップのディレッツァZ101やヨコハマのS-ドライブなど)のランエボ純正サイズ、235/45/17での1本の価格が15000円ぐらいのところを、5000円を切る売値だったのですから、衝撃でした。
チューニング雑誌やネット上での評価は高く、
「ディレッツァより全然路面を食う!」
とか
「品質、ライフ、共に遜色なし! それでこの価格は絶対に買い!」
なんて持ち上げようで、ちょっとしたイベント状態でした。
これは試してみるしかない!と思い、さっそく1セット履いてみてテストしました。
装着期間は約1年半、距離にて14000kmほどで、毎日の通勤と週2回の峠でした。
SS595のインプレッション
どんなブランドのアジアンタイヤでも共通して感じるのは、サイドウォールの柔らかさから来る、初期レスポンスのマイルドさ(ダルさ?)です。
国産タイヤメーカーの場合、サイドウォール剛性をやたらと上げてシャープさを演出する傾向が強いので、よけいにダルく感じやすいのは事実です。
ですが、やっぱり少し柔らかすぎかも知れません。
肝心のグリップ力はどうでしょう?
たしかに思ってたよりは高かったですが、ディレッツァ(当時のZ101)より食うというのは、言い過ぎだと思いました。
限界時のトラクションの抜け方はわかりやすくてよかったです。ヌルヌルした滑り方というか、滑り出しがマイルドでコントロールしやすかったです。
レイン性能は、ハッキリ言ってダメです。排水性が悪く、高速道路でハイドロプレーニングが起きやすいです。
結論から言えば、ドリフトのように振り回して遊ぶような乗り方用にはいいと思います。
最初から、各コーナーで滑らせる事を前提としてるならアリです。
ライフはどうだったか?
短くはありません。14000kmで終了しましたが、かなり滑らせて遊んでたワリには、けっこう保ったと思います。
トータルでの評価ですが、まず、国産ハイグリップラジアルを基準にしてはいけません。
縦、横のグリップ力、コントロール性、すべてに劣ります。当たり前ですが。
ただ、この値段を考えると、練習用目的や、ドリフト、速さはおいといて、安く楽しく峠で遊ぶ、といった目的なら充分にOKです。
ネクセン N9000
SS595の次に試したのが、このNEXEN・ネクセンのフラグシップ、N9000です。
もうちょっと路面を食ってくれるのはないか?とネットで探していて、評価の良かったこのタイヤを選びました。
ネクセンは韓国では一番老舗のメーカーで、ミシュランの技術指導を受けてから、スポーツタイヤの性能を急速に伸ばしたメーカー・・らしいです。
ここのハイグリップタイヤの最高峰がN9000。これを履いてみました。
N9000のインプレッション
グリップですが、SS595とは比較になりません。はるかに食います。
当時の最強ラジアル、RE-01RやAD08ネオバなんかにくらべれば、全然劣りますよ。しかし、セカンドクラスよりはグリップは高いんじゃないかと感じました。
これも滑り出しはマイルドで分かりやすく感じます。
SS595にくらべると、限界が高いぶんだけ少し動き出しが早いかな?とは思いますが。
サイドウォールはやはり柔らかめです。ステアリングの初期応答性は、SS595よりもマイルドに感じます。
レイン性能はまったく問題ありません。土砂降りの高速道路でも、まったく不安感なく走れます。
タイヤのグルーヴを見れば分かりますが、排水性はかなり高いようです。
ライフですが、かなり減りが早いです。
グリップが高いだけあって、消しゴムのようにとまでは言いませんが、結構早く消耗します。8000kmで内部のワイヤーが見えました。
峠に行かずに街乗りのみでしたら、12000kmぐらい保ちました。1年強といったところでしょうか。
このタイヤはXL(エクストラロード)規格なので、空気圧は高めにする必要があります。冷間でも2.6キロ、温間で3キロ近くです。
扁平率と見た目のタイヤの薄さが、国産タイヤと違って厚めに見えます。45でも50ぐらいの見た目です。
あと、タイヤの重量がサイズのワリには重いようです。
これはすべてのアジアンタイヤに当てはまりますが。
総評ですが、国産ハイグリップラジアルに比べれば、劣る部分もあります。
しかし結構気に入ってしまって、ずっと履き続けてます。
CT9A純正サイズが1本5870円ですからね。
この値段を考えると、相当なコスパの良さです。峠のキングはムリですが、上位グループの車を追い回すことはできます。追うだけで抜けませんけど。