冷却系

ランサー・エボリューションに限らず、ハイパワーターボエンジンは熱との闘いです。

街乗りですらオーバーヒートの危険があった初代エボ1から比べれば、ラジエターもオイルクーラーも大型化されてきてます。

街乗り中心で、ラジエターファンコントローラーがちゃんと機能してれば、ノーマルでも大丈夫でしょう。

峠のワインディングを攻める場合や、サーキット走行会でガンガン走る人だったら、両方共社外品に交換しておいた方が無難です。

ラジエター

CT9Aの純正ラジエターは、アルミ製2層式と社外品並の豪華なものです。

ただアッパータンクは樹脂製なので、熱と経年劣化で樹脂部分が亀裂が入ったりします。

ラジエターが純正の場合は、このトラブルは必ず起こると思っておいてください。

修理に関してですが、最近の社外品の低価格化を考えれば、社外品に交換した方がお得だと思ってます。

社外アルミラジエーター交換の記事はこちら

社外品に交換する際、厚みには注意が必要です。CT9Aは意外と余裕がなく、厚すぎるラジエターの場合はインテークのジョイント部に当たる時があります。

ラジエターの電動ファンは、ECUからの指令以外にも専用のコントロールユニットにて制御されていますが、このファンコントローラーは新品から不良品で、リコール対象になってます。

不良品の特徴ですが、電動ファンを回し始める温度が異常に低いことです。ノーマルでは、純正水温センサーからの数値で93℃ぐらいからファンを回し始める指令をだしますが、不良品は75℃ぐらいで指示を出したりします。

もし購入したCT9Aのファンコントローラーが未交換でしたら、交換が必要です。ディーラーで診てもらえますのでチェックしてみてください。

ローテンプサーモ

走り屋系のクルマでは装着率の高いパーツに、ローテンプサーモと冷却効率を高めた特殊なクーラント(LLC)があります。

ハッキリいって、どちらもまったく不要です。それどころかエンジンを痛める危険性があるパーツだといえます。

純正のサーモは、82℃付近で開き始める設定になっています。CT9AのECUの制御では、それ以下の水温では燃料を多めに噴射する設定になっていますので、フケが重くなりますし、トルクも出ません。

さらにエンジン内部のクリアランスは、水温が85℃~88℃ぐらいでベストになるように設定されてるようです。

ところが、ローテンプサーモは68℃か71℃で設定されてるものがほとんどです。これで街乗りしてみれば分かりますが、冬場の高速道路などでは、ほんとに70℃付近から水温が上がりません。

これでは、オーバークールのままで走ることになります。ピストンリングはもちろん、スカート部分と、シリンダー内壁の当たり具合を想像すると恐ろしくなります。

サーモは、純正品を4,5年毎に交換するのがベストです。

クーラントも、量販店で売ってる通常の商品で十分です。というか、冷却効率の高さを謳ってる商品のほとんどは、クーラントに求められる耐久性や防錆能力、不凍性が著しく低いものが多いので、街乗りもするクルマに入れるのは危険です。

オイルクーラー

峠を楽しく流す程度ぐらいでしたら、純正のままでもイケます。バンパーの開口部からの風を逃がさないように導風板をアルミ板などで自作してやれば、そうそう油温130℃突破!なんてことにはならないハズです。

社外品に交換する場合は、有名メーカーのキット物だけでなく、セトラブ等の汎用品も視野に入れるとサイズの選択肢が広がります。

「過ぎたるは及ばざるが如し」という死語の通り、自分の使用条件に合ってない、大きすぎる物は弊害があります。

大きすぎるオイルクーラーは、油圧の低下を招きます。油圧が設計時の想定よりも下がれば、エンジン内部に深刻なダメージをもたらします。

普段から油温をチェックしていれば、今より何度ほど下げる必要があるのかがわかるハズですから、それに合ったサイズのコアを選択するようにしましょう。

オイルクーラー用のローテンプサーモなどという製品は、存在すらしない物として忘れましょう。理由はラジエーターのところで書いた通りです。サーキット専用車以外にはまったく必要がありません。


ランエボ

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