駆動系オイル交換のやり方

EVってありますよね?

テスラ社の製品が有名ですが。

今はまだまだ特殊なクルマ、って感じですが。

あと10年したら、クルマ選びの選択肢として、ごく普通に入ってくるかもしれない。

そしたら私、たぶんEVを選ぶと思います。

ミッションオイル交換

だって、エンジンもトランスミッションも無いんですよ。

インホイールモーター式だったら、デフもありません。

この辺のメンテナンスが不要になるなんて、素晴らしいじゃないですか?

とまあ、前フリはこれぐらいで。

今回はCT型になって、いっきに面倒になったランサーエボリューションの駆動系オイル交換。

ほんとにこのクルマ、大概にして欲しいですよ、もう。

リアデフのオイル交換

駆動系の中では、いちばんオイル交換が簡単なのがリアデフ。

ぶっちゃけ、リフトアップしなくても出来ます。

ただ、オイル注入に使うサーバーが問題。

愛用してるトキコのオイルサーバーだと、デフ本体から地面まで、ある程度の高さがないとやりづらい。

なので駆動系オイル交換の時は、自宅では作業せずにガレージでリフトを借りたりしてます。

とくにトランスファーオイルの交換は、ガレージジャッキ+ウマではやりづらいです。

(まあ長年それで作業してましたが)

リアデフオイル交換

私のCT9AはRSなので、機械式デフです。

AYCではありません。

外すボルトは、矢印の2ヶ所。

上がフィラー(オイルを入れる方)、下がドレン(オイルを抜く方)。

この手の作業の基本ですが。

必ずフィラーボルトが外れるのを確認してから、ドレンを外してオイルを抜く。

そうしないと、万が一フィラーが固着して外せなかった場合に、オイルの注入が出来なくて自走不可になります。

オイルを抜いてる間に、ドレン、フィラーのボルトのクリーニングとガスケット交換。

ドレンガスケットが、

リアデフのガスケット

純正部品番号はMB001294

フィラーのガスケットは、トランスファーやミッションと共通で、

ガスケット

右のMF660036の方。

左のMD000312は、ミッションとトランスファーのドレンボルト用。

古いガスケットは潰れて変形してますので、マイナスドライバーなんかでコジれば外せます。

デフオイル交換

このガスケットもまあ・・・

このまま再利用しても、ぜんぜん問題無いですけどね。

ただエンジンオイルと違って、漏れやオイル量のチェックが気軽に出来ない駆動系。

心配なんで、一応は交換しますが。

エンジンオイルのオイルパンと違って、駆動系のドレンボルトは全力で締めてかまいません。

私なんか、ラチェットのハンドルに鉄パイプかまして延長したので、フルパワーで締めてます。

駆動系のドレンボルトはネジ径がデカイので、ある程度以上のパワー掛けないと必要トルクが掛からず、新品ガスケットがキチンと潰れてくれないんですよ。

そして新品オイルを注入ですが。

私が長年使ってたのは、オイルシリンジ。

でっかい注射器みたいなヤツ。

これ、安いやつだと1000円以下とかで買えるんですが。

絶対にやめましょうね、コレで作業するの。

いや、本当に。

このタイプを何本も買い直しては、10年以上もコレでやってましたが。

もうサイアクなんですよ、このタイプ。

何がそんなにダメか?

その1

シリンダー内のゴムのガスケット、すぐにヘタるのでオイル注入時にあちこちからオイル漏れします。

注入してる量より、漏れてる量の方が多いくらいに。

オイルがもったいないし、地面はオイルまみれ。

その2

ただピストンを押すだけの構造なので、硬いオイルだと力が尋常じゃないぐらい必要。

リアデフ用の120クラスなんかだと。

オイルが柔らかくなる真夏以外は、筋トレ以外の何物でもない。

大胸筋を鍛えたい人はドーゾ。

漏れたオイルで筋肉もテカって、さぞや見栄えも良いでしょう。

その3

ガレージジャッキでリフトアップしてる時なんかは、特にそうですが。

下にもぐる為の取り回しの関係上、シリンダーサイズが500ccぐらいまでの大きさのしか使えない。

そうするとミッションオイルなんか、5回はオイルの入れ替えが必要。

じゃあ、いったい何がいいのか?

イチオシはこれですよ。

TOKIKOのオイルサーバー2

イチオシっていうか、もはや一択ですよ。

評判の高さは、昔から知ってましたが。

値段も安くないので、なかなか購入に至らなかった。

ようやく買ったのが、今から6年前。

そして最初から購入しなかった自分のバカさ加減に、はげしく自己嫌悪でしたよ。

コレはほんとうにスゴい!

硬いオイルもサクサクと注入できて、漏れとかムダとか、まったく無し。

DIYでオイル交換する方、この製品しか選択の余地はありませんよ。

さんざんオイルとお金をムダにしてきた私が、心の底から断言します。

*あと、電動ドリルで回すポンプタイプの製品とかもありますが、オモチャ以下のシロモノでまったく使い物になりません。

ハナシがだいぶ脱線しましたが。

ランサーエボリューションのデフオイル

こいつで、さっさとオイルを入れる。

入れるオイルは、信頼のこの製品。

とーぜんエステル系。

ニューテック

NUTEC(ニューテック)ZZ-32

ニューテックには、フラグシップモデルのNC-70NC-71があります。

価格も、1リッターで1000円しか違いません。

じゃあなぜ、わざわざセカンドグレード?の製品を使うのか?

それはNCシリーズと、このZZシリーズでは、オイルの品質ではなく性格が違う味付けがされてるから。

NCはなんというか、ギアの保護よりもシフトスピードとかの切れ味を重視されてるカンジなんですよ。

ミッションで言えば、シンクロをより早く同調させて、スパッとしたシフトフィールを狙ってるような。

そしてZZの場合、ねっとりとギアを保護。

シフトフィールも、ヌルヌルっとしたカンジ。金属同士がどこも接触せず、ニュルニュルとした鉱物油系っぽいタッチが、機械式LSDにも合ってる気がします。

サーキットのタイムアタックでしたら、迷わずNCでしょう。

でも街乗りのクルマで、永く乗り続けたい。

それならZZの方がオススメ。

*ZZシリーズを使うキッカケになった理由は、下のミッションオイル交換のところで詳しく説明してます。

リアの純正機械式デフ、オイル容量は0.85Lなんですが、油圧リフトで水平にクルマを上げると、0.5Lぐらいしかオイルが抜けません。

ベストなやり方は、ガレージジャッキでリフトアップ。

ウマをかませてから、オイルを排出する時はフロントをさらにジャッキアップ。

終わったら、リアだけ少しジャッキアップして、新オイルを注入ですね。

さあ次は、いちばんイラつくトランスファーオイルの交換。

ランエボ

トランスファーのオイル交換

きましたよ。

CT型になってから最悪度がいっきに増した、トランスファーオイル交換。

理由は、

1)フィラーボルトの位置がサイアク。

工具が入りにくいし、オイルもスムーズに入りづらい構造になってるので、ちゃんと必要量が入ったか分かりにくい。

2)オイルが溢れた時、周りが汚れまくる。

ガレージジャッキでのジャッキアップで作業するのは、かなりキツいです(体勢的に)

まあ、長年それでやってましたけどね。

オイル抜くのはラクショーなんですよ。

入れるのがたいへん。

トランスファーオイル交換

ドレンボルトはここ。

かんたんに、アプローチ出来ます。

問題はフィラーボルト。

このバンテージ巻かれたフロントパイプの上に位置してます。

トランスファーオイル交換

ラチェットに5cmぐらいのエクステンションで、まあなんとかってカンジです。

フロントパイプがぶっといの入ってたら、かなりキツくなりますね。

以前は今より太いフロントパイプ入ってたんで、フレキシブルヘッドを付けないとムリでした。

ここのオイル、入れる時にはものすごくスローにやらないとダメです。

オイルの粘度にも、よりますが。

ちょっとでも入れるスピードが早すぎると、まだ入りきってないのに溢れてきます。

量は0.5L。何回も小休止入れながらやれば、なんとかいけます。

溢れたオイルが周りに付着しないようにひと工夫。

トランスファー

100均で売ってる紙皿。

これをフィラーの下に置いてから作業。

これはミッションオイルの時にも使います。

このトランスファーオイル交換。

ちゃんとした工具を揃えてから挑戦しましょう。

最低でも、フレキシブルヘッドの付いたスピンナーハンドルかラチェットハンドルと、トキコのオイルサーバーは必須ですよ。

ちなみにオイルは、ミッションと同じです。

ニューテックZZ-31 75W-85

夏場限定で、リアデフ用のZZ-32 80W-120でもいいですが。

あと競技だったら、ZZ-32オンリーでもいいです。

以前は硬い方を入れてましたけどね。

でも、街乗りもするクルマのトランスファーに硬すぎるオイルだと、なんか動きがぎこちなくなるんで、やめました。

なんていうか大袈裟に言えば、イニシャル高めの機械式センターデフ入れたような動きになる気が?

*訂正。最近お世話になってる、三菱直系のプロショップ、”テストアンドサービス”さんからのアドバイスで、やはりリアデフと同じ80W-120に変更しました。

三菱の取説では、効きのマイルドさを狙ってか、75W-85(90)になってますが、オイル容量の問題からも、固めの方がいいそうです。

ミッションオイル交換

さて、トランスファーにくらべれば、はるかにラクなミッションオイル交換。

まあCT9Aらしく、ちょっとイラっとさせられるポイントは、もちろんしっかりとあります。

ミッションオイル交換

フィラーはここ。

アンダーカバーのセンター部分だけ外せばOK。

外さなくても作業できますが、外した方がラク。

そしてドレンボルト。

ミッションオイル交換

イージーですね。

ちなみに、フィラーの方ですが。

真下のアンダーカバーのフチが、ラチェットハンドルに当たる仕様。

あと1cm切り込みが深ければ、何の問題も無いのに。

毎度おなじみの、CT9Aあるある劇場ですよ。

強引にカバーをねじって作業してますけどね。

オイルは2.5リッター以上は入ります。

全容量は2.85リッターだったかな?

使用するのは、トランスファーと同じニューテック・ZZ-31

さて、なぜNC-70ではなく、ZZ-31を使い始めたのか?

私のエボ7、買った時からギアの入りに問題がありました。

2速に入りづらい。

必ず引っ掛かるんですよ。

1速からも3速からも、2速に入れようとすると、ガキン感が凄かった。

当時のネットでも、エボ7前期型(公式には前期、後期は存在しませんが、じっさいは途中から、ECUのマップ等の秘密の仕様変更が行われてるので、そこで分けてます)の中に、そういった2速に引っ掛かりがある個体がワリと存在することが言われてました。

すでにエンジンオイルで出家して、ニューテック教に入信済みだった信者の私。

さっそくカスタマーサービスに電話して、ありがたい教えを仰いでみると。

その時の電話口に出た技術者の方に強くオススメされたのが、NCではなくZZだったんです。

すごく技術的で専門用語炸裂の説明。素人にはサッパリ?って内容でしたが。

まあ要約すると、

「ZZの方が、ギアの保護と入りには、NCより優れてるよ」

ってことだった。

試してみると、あんだけ入りづらかった2速がスパスパ入る!

もう私の信仰心はマックスですよ。

NUTEC社の社歌とかあったら(まず無いですが)、3番までフルコーラスを歌いたい気分。

フロントに入ってる、クスコの機械式LSDTypeRSとの相性もばっちり。

以上、CT9A・ランサーエボリューションの駆動系オイル交換でした。

ランエボ

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