今更気づいたんですが。
このサイトって、「オイル交換のやり方」とか、「ブレーキパッド交換の注意点」だとかの普通の整備ネタが、これまではぜんぜん無かったですね。
まあ、これからもありませんけど。(そのうちやります)
なんか、″みんカラ″辺りにいくらでも転がってる一般ネタは省いてもいい、と思ってたので記事にしなかったのです。
でも、自分では一般常識だと思ってた事が、意外とそうでもなかったのに最近気づいたのもあって、ちょっといくつか書いてみます。
ヘッドライトのバルブ交換のやり方
CT9A型になってから、これまでのH4タイプのハイ、ロービーム切り替えタイプから、HB3バルブのハイとロービームが別々の、ヘッドライトユニットになりました。
ヘッドライトユニットのシェイプも流線型で、CD値も向上してていいのですが、整備性はサイアクになりました。
なんとロービームのバルブとポジション球の交換が、エンジンルームから出来ないのです!
三菱の整備書によると、バルブ交換はバンパー外してから、ヘッドライトユニット自体を外して行う、との指示。
・・・・・・・・・冗談でしょ?
デザイン優先の弊害ですかねー?
でも、もうちょっとラクな方法があります。
それは、インナーフェンダーからアプローチすること。
フォグやハイビームのバルブは、エンジンルームからも手が届くのですが、ロービームとポジション球は前からはちょっとムリ。
でも後ろのインナーフェンダー側からなら、なんとか手が入ります。
ポジション球なら、タイヤも外さずにステアリングを目一杯切ってから、インナーフェンダーのクリップを3つぐらい外してめくってやれば、手探りでのブラインドアタックになりますが交換可能です。
ジャッキアップポイント
CT9A・エボ7がデビューした時、ネットで結構話題になってのが、このジャッキアップポイントです。
エボ6までは、フロントのエンジンメンバーに分かりやすいジャッキアップポイントがあったのですが、エボ7ではその部分が牽引フックに置き換わってたので(しかもアンダーパネルで隠されてる)、
「いったいドコにジャッキ掛けんのさ?」
と騒がれてました。
でも、アンダーパネルの一部を外してよく見れば、その牽引フックの後ろにジャッキアップポイントがあります。
あと、牽引フックにジャッキを掛けても大丈夫です。
ところで、そのエンジンメンバーをよく見ると、ずっと奥の方にもう一個ジャッキアップポイントらしきものが見えます。
ここはアンダーパネルを外さなくてもアプローチ出来ます。
そして、ここが実際にジャッキアップポイントになってる車種も多くあります。
そのせいで、経験多いクルマ屋さん(ただしエボには詳しくない)ほど、ここにジャッキを掛けたがります。
このくらい奥だと、ガレージジャッキを少し上げただけでも車体は大きく持ち上がるので効率いいんですが、CT9Aの場合は、ここにジャッキを掛けるとメンバーが歪みます。
ディーラーやエボを知ってるショップではやらないミスですが、一般整備工場やタイヤ屋などでは意外とやりがちなミスですので(私もやられました)、クルマを任せる時は注意しましょう。
後ろのジャッキを掛ける場所は、リアデフケースです。こだわるなら、ガレージジャッキの皿をデフケースとケースの蓋(オイル注入口が付いてる方)の両方に掛かるようにしましょう。ケースに掛かる負担が減らせます。
アンダーパネルを止めているプラスティック製のリベット(クリップ)ですが、このリベットはインナーフェンダーなど至る所に使用されてますね。
純正では、左側のプラスのネジ式のものが使われています。
でもおすすめは、右側のプッシュプル式のモノです。
ネジ式は、すぐにアタマをナメやすいし、アンダーパネルだと路面に削られてドライバーが掛からなくなりやすいし、普通の状態でも、空回りしやすく作業効率が悪くてイライラします。
私は、プッシュプル式をサイズ違いで在庫を用意しておき、作業の度に入れ替えています。
エーモン製などの製品が、カー用品店で売られていますが、アレは高いです。2,3個しか入ってなくて、200円以上しますよね?
カインズホームとかの大型ホームセンターだと、一個20円ぐらいからバラ売りしてます。
ブレーキパッドの鳴き
CT9Aに純正で搭載のブレンボ。効きなどの性能重視ですので、ある程度の鳴きは仕方ないです。
でも信号で止まる度に、交差点にいる通行人の全員の注目を引き付けるような凄まじい鳴きは、ちょっとイヤですよね。
パッド鳴きを軽減する第一歩は、パッドグリスを塗ることです。ところが、このグリスの塗り方を間違ってるケースを、最近立て続けに3回も見ました。3回とも、同じタイプのミスです。
ブレンボに限らず、対向ピストンキャリパーのパッド交換はラクなので、DIYで行ってる人も多いんですが、今回連続で見たケースは、グリスを塗る場所の間違いでした(というか、塗るべき部分に塗ってない)。
これ、パッドを押さえるバックプレートです。
赤矢印の部分。両端のパッドピンが当たる部分、そして真ん中のパッドと当たるアーム部分の両側に、たっぷりグリスを塗るのが吉なのですが、まったく塗ってないケースを2件、塗ってはあるが、薄すぎるケースを1件見ました。
これでは、鳴きまくりも起きやすくなります。
シムやピストンが当たる部分だけでなく、バックプレートやピンにもしっかり塗りましょう。
パッドピンに少しでもグリスが付くと、走行中に抜けやすそうでコワい、というのが、塗らなかった理由の一つでしたが、たとえピンにグリスが付いても、走行中に抜け落ちたりはしませんのでご安心を。
ついでですが、使用するパッドグリスにも品質にけっこう差があります。
値段もピンキリなんですが、いちばんのおすすめはWAKO’S(ワコーズ)のシリコングリスですね。100gのチューブで3000円以上という、バカ高い製品ですが、それだけの価値があります。高いと言っても、一回買えば何年も保ちますけど。
もっと安い製品はいっぱいあるのですが、ワコーズはクオリティが全然違います。ランエボのようにブレーキまわりの発熱量がハンパじゃないクルマには、ちゃんとした製品を使いたいものです。
ワコーズ WAKO’S V251 スーパーシリコーングリス SSG (チューブ) 100g
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錆びた小物パーツの見た目のリフレッシュをカンタンにやるには?
長年走行してると、どんなクルマでも避けられないのが、サビの問題。
モノコックボディのサビの補修は、プロの板金屋に頼むしかありません。
でもここで取り上げるのは、ワイパーアームやフロントグリル、ボンネットのエアダクトのネットなどの小物パーツのサビ。
これらのパーツにサビが浮いてくると、いくらボディの塗装が綺麗なままでも、クルマ全体が古びてボロく見えてしまいますよね?
そこで、サビを落として再塗装! と行くのもいいですが、あの作業はかなり面倒くさいです。
まず、パーツを外してサンドペーパーなどでサビ落とし。そしてプライマーで下地塗装して、その上から本塗装。でもそこまでやったのに、塗装の下に新たなサビが発生、塗装に気泡ができて剥がれ、すべて台無し・・・なんて事が起きやすいんです。
プライマーにサビ防止剤が入ってるモノもありますが、完全じゃないです。
でももっとカンタンで、そこそこの見た目の仕上がりが得られる方法があります。
それはコイツを使うこと。
Holts サビチェンジャー
ケミカルで有名な、ホルツの製品。中身は牛乳みたいな液体が入ってます。
コイツを、赤く錆びた部分に筆などでチョイチョイと塗ってやると、アラ不思議。赤錆が真っ黒になって、見た目的には消えて無くなります。
原理ですが、酸化して侵食する赤錆を、安定した黒錆の被膜に変換すること。黒錆はそれ以上侵食しないので、錆びた部分を守る被膜になります。
これはボンネットのエアダクトの部分ですが、網のトコと内側の黒い縁取りに、かなりサビが出ていました。サビチェンジャーを塗ったあとはこの通りです。
使用する際のコツは、パーツクリーナーなどでサビ部分をしっかりクリーニングすること、サビが深い場合、液体が全面に行き渡るようにしっかり塗ることぐらいです。
欠点は、元が黒い色のパーツにしか使えないこと、鉄製品以外の金属製品には無効なことでしょうか。
他社でも似たような製品がありますが、ホルツのがイチバンですね。ちなみにスプレータイプもあります。
Holts ホルツ サビチェンジャー サビ転換剤 MH116
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あると便利な補修系アイテム
これもクルマ屋さんの間では、常識の製品ですね。
アメリカ製の接着剤というか、金属パテのオートウェルド(J-B ウェルド)。
2液性のエポキシ樹脂接着剤なんですが、接着だけでなく、パテとして使用されることが多いです。なぜなら、乾燥した後の強度がハンパじゃないから。タップ立てて、ネジ穴が作れるほどです。
画像はオートウェルドの速乾性タイプ。
耐熱性や強度は、オリジナルのオートウェルドに劣ります。でも、オートウェルドの実用硬化時間6時間に対して、20分は使い勝手バツグンです。
それに劣る、といっても、150以上の耐熱性がありますので、エンジンルーム内のパーツにも充分使用できます。
例えば、ラジエターの水漏れ。カシメやピンホールからの水漏れなどでしたら、これで楽勝で補修できます。
私はラジエターの電動ファンを外す時に、ラジエターのリザーバータンクホースのニップルがジャマだったので外したんですが、外す際にネジ穴をナメてしまいました。
でもオートウェルドで接着、スキマも塞いだのでノープロブレム。
使用の注意点は、あまりにも強力なので、一度くっつけたら外せないことぐらい。
工具箱に1パック入れといて損はない製品です。
J-Bウエルド クイックウエルド KW-20Z
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