ある日突然、ギアが入らなくなった・・
ミッションブロー?
いやいや、まずはクラッチ切れの不良を疑いましょう。
それは1ヶ月ぐらい前の事。
いつものように職場に出勤、パスを見せるためゲート前でシフトダウン。
(ちなみに私の職場のゲートガード、ベレッタの拳銃とM4アサルトライフルで武装してます。本当です。)
いつものように軽快にシフトダウン・・・・できない!
そこは走り屋歴20年以上の私、これくらいじゃアワてない。
クールにクラッチを踏み直して、再度シフトダウン。今度は入った。
その後はとくに異常無し。
これが最初の兆候。
トラブル発生のサインですよ。
この日をさかいに、このギアが入らなくなるトラブルが頻発するようになりました。
ちなみにこの手のトラブル、このクルマで2回目。
買った時にすでに入ってたATSのカーボンツイン、センタープレート割れでクラッチ切れなくなって以来。
あの時はクラッチ交換するまでの1ヶ月半、クラッチレスシフト多用して通勤してました。
回転合わせれば案外スムーズに入るもんですよ。信号ストップが恐怖でしたが。
今回もミッションブローはまったく疑ってません。クラッチに決まってます。
見極めの理由ですが。
1)エンジン切って停車中だと、どのギアもスコスコ入るから。ミッションブローだと入りません。
2)ギアが入らないだけでなく、抜けない時があるから。
3)ギアの入り、抜けのトラブルが起きたり起きなかったりするから。ミッションブローだと一度起きたら起きっぱなしです。
4)だいたいエボ1の頃から、エボの5速ミッションは異常に丈夫なの知ってるから。モータースポーツとかで酷使してない限り、20万キロぐらいでブローなんかしないから。
(使用してるオイルの品質とドライバーの腕にもよるけど)
まあ前回と違って、クラッチペダルの感触にはあまり異常は感じない。
これはクラッチ本体よりも、ディスクをオペレートしてるクラッチラインのどこかでしょうね。
ディスクやカバー、レリーズベアリングが原因だと、ペダルの感触が明らかにおかしくなりますから。
たぶんクラッチラインにエアでも噛んだか、レリーズやマスターシリンダーが逝ったか?
エボ2の時は、レリーズシリンダーは3回交換してます。
初期エボはレリーズが弱点の一つだったんですよね。4万キロぐらいしか保たない。
まあ弱点というより、それだけ過大な負荷が掛かってたのかも。
エボ4からクラッチの動作方法が変更されてから、レリーズトラブルは聞かなくなりました。
いつものように前置きが長くなりましたが。
17万キロ無交換だったクラッチレリーズシリンダー、マスターシリンダーのリフレッシュといきましょう。
レリーズシリンダー交換
ここでまず第一の失敗。
クラッチライン系統にトラブルがあるの分かってんだから、やるなら全パーツを一度に交換するべきだったんですよ。
そうすればフルードを無駄に消費しないし、エア抜きも一度で済んだのに。
エボ2の頃のトラウマのせいか。
なぜか犯人をレリーズシリンダーだと決めつけてた私、レリーズシリンダー交換だけを先に行ってしまう。
今回はショップに頼みました。
もうね、腰が痛いんですよ。あの作業は難易度は低いけど、けっこう時間かかりますしね。
様子見をかねて、以前から気になってた近所のショップ。
ちょっとお試しです。
なんか普段はフェラーリとランボルギーニばっかのショップですが。
むかしはNSXやFD3S、R32のチューニングでも盛んだったはず。
うーん、私のエボって場違い感バリバリ。
右側がランボルギーニのなんとか。見えませんが、左側はフェラーリのモデナだかなんだか。
このカメラの横には、マセラティのなんとかが入庫してます。
フルードのリザーバータンクがブレーキと共用なのがCT9A。
ついでにブレーキラインのフルード入れ替えもお願いします。
新品のレリーズシリンダーは純正相当品の社外品を購入。
社外品といってもアイシン精機製。
まあ純正みたいなモンです。
三菱純正より2000円ぐらい安く買えます。
で、交換完了。
さっそく試走。
・・・・まったく治ってません。
はっはっは!
まあレリーズシリンダーも、いい加減交換したほうが良かったからいいんですが。
しかしCTはレリーズシリンダー長持ちですね~。
17万キロ無交換ですよ?
けっきょくクラッチ切れ不良が改善してないので、次のステップにいきます。
マスターシリンダーの交換です。
クラッチマスターシリンダー交換
まったくねえ・・最初から全部いっぺんに交換しちゃえば良かったんですよ。
これで入れ替えたフルードがムダ!
エア抜きもやり直し!
最初はオーバーホールキットでも買って、安く済ませようかと思ったんですが。
CT9Aのクラッチマスターシリンダーであれこれ検索してると、気になるサイトが・・
それも三菱自動車の本家サイト。
https://recall.mitsubishi-motors.co.jp/Recall/displayselect.do?orderno=SC034
リコール出てたんかい!
でもどういう事でしょうか? リコールのサービスキャンペーンは新車発売年からスタートしてますが、当時にそんなリコールの情報はなかったハズ?
まったく記憶にありません。
当時出てたリコールは、ラジエターファンコントローラーと、O2センサーぐらいしかなかったような?
私が時々お世話になってる、近所のディーラーの営業マン(元エボ乗り)の方も初耳だそう。
「やったぜ!タダでマスターシリンダー交換できるぜ!いやっほう!」
さっそくディーラーに作業予約。
でもあとで対象車輌の車体番号をよく見ると、微妙にはずれてます・・・
え?!ゆ、有料っすか?
クラッチマスターシリンダー MR519378 10,908円
作業工賃 19,440円
有料でございました。
悲しみのあまり、ついでにホース類も全交換。
まあ最初からそのつもりでしたが。
今回のミッションは、クラッチペダルからレリーズフォークまでのパーツ全部。
クラッチ本体を降ろさずに交換できる、すべてのパーツをリフレッシュすること。
リザーバータンクとマスターシリンダー間のホース MR851043 216円
マスターシリンダーとレリーズシリンダー間のホース MR554857 2322円
ホースクリップ MB058362 388円
こいつらも全員リストラ。フレッシュな新人に入れ替え。
そして新品のクラッチマスターシリンダー
赤丸で囲った部分、ここにキャップがないのが対策品。
リコール対象になってたマスターシリンダー、ここに黒いゴムキャップがあります。
こんな感じ。
って、これほんとうにリコール対象じゃないの?
今回の作業で、クラッチの切れ不良は完全に解消。
結局、マスターシリンダーが犯人だったようです。
ちなみに交換の際ですが。
見ての通り、マスターシリンダーのクラッチペダルへの接続側は調整式になってます。
ここの長さを三菱の整備書通りに調整すると、クラッチの切れるポイントがかなり奥になってしまうことがあります。
目一杯ペダルを踏み込まないと、クラッチが切れないんですよ。
前のエボ2もそうでしたし、今のエボ7も最初はそうでした。
なぜそういう仕様なのかは分かりませんが。
踏み込み過ぎを防ぐため?
まあ三菱車は、クラッチペダルのストロークが実際のクラッチカバー側の必要ストロークより大きいため、踏み込み過ぎでレリーズベアリングなんかを壊してしまうってハナシを昔に聞いたことがあります。
ムダに踏み込みすぎないよう、ペダルのストッパーなんかも売られてました。
でもあまりにもミートポイントが奥にあると、乗りにくいったらありません。
その時はこのマスターシリンダーの調整部で調整しましょう。
と、ここまで言っておいてなんですが。
この調整はけっこうセンシティブです。
クラッチペダルにはリターンスプリングがついてます。
このスプリング、ペダルを戻すためだけでなく、踏む時のアシストも兼ねてると聞きました。
2WAYに効いてるってことでしょうか?
そして規定値以上にミートポイントを上げると、このスプリングのアシストが効かなくなり、ペダルが異常に重くなります。
まるで大昔の強化クラッチを入れたみたいになります。
私のCT9Aも最初はスカスカにペダルが軽かったのですが、ミートポイントを上げてからはかなり重くなってしまいました。
今回はほどほどに調整をお願いしてみました。
おかげでかなりペダルは軽くなりました。
やっぱり前はやりすぎてましたね。