ランサー・エボリューションは、モデルチェンジするたびに確実に前モデルのウィークポイントを改善しながら進化してきたクルマなのは、ご存知のとおりです。
CT9Aになると、特別に壊れやすいところや注意するポイントはないのですが、これまでの経験を元にいくつか紹介してみます。
まずはクルマの心臓、エンジン関連から。
エンジンオイル
レベルゲージでのオイル量のチェックですが、最低でも2週間に一回、高回転で回す時間が長いような運転を続けた時は、そのたびに必ずチェックが必要です。
4G63は、走行距離が5万キロを超えたあたりからエンジンオイルの消費が急に早くなる傾向があります。
特に各シールからのオイル漏れがない場合の原因は、ピストンリングからのオイル上がり、バルブシートからのオイル下がり、が一般的です。
根本的な解決はエンジンOHしかないですが、オイルを補充しながら保たせるのもありです。
使用するオイルですが、どこのブランドの物を使うか?がすべてで、それでエンジンの寿命が決まってしまうほど重要です。
オイルの粘度とか、3000kmで交換とか、そういう事ではなく、”何”を入れるか?です。
毎日の通勤、週末の峠のワインディング、たまのサーキット走行会、こういった状況でクルマを楽しめる。
そして極端に短いサイクルでオイル交換しなくてもエンジンの保護性能が落ちない、そんなオイルは、私の知る限りは1種類しかありません。
以前はモチュ○ル(MOT○L)の3○0Vというオイルも良かったのですが、モデルチェンジ後にはECO性能重視になってしまい、ダメになってしまいました。
今はニューテック(Nutec)のNCシリーズの1択だと思ってます。このオイルは過酷な使用でも全然へたらず、3000kmどころか、10000km無交換でも問題ないほどです。
クルマではまだ知名度がイマイチですが、バイク乗りには常識のこのブランド、高価なのがイタいですが、交換サイクルは異常なほど長く取れるので、結局オトクかも?
NUTEC 【ニューテック】 NC-41 RACE OIL 【10W-50】 【4L】【4サイクルレーシングオイル】
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各種センサー
4G63に限らず、現代のエンジンはECUと呼ばれるコンピューターで制御されてます。そこでECUに必要な情報を送るセンサー類が重要になってきます。
各センサーの故障頻度などを並べてみました。
エアフロセンサー
カルマン渦式と呼ばれるタイプで、可動部品等がないためか故障が少ないというか、殆ど無いのが良い所です。
こわれる時はほとんどの場合、振動による基板内の部品の剥離が原因ですので、電子部品に強いメカなら修理可能です。
新品で買うと4万円以上するので、修理か中古パーツに入れ替えがいいかも?
CT9Aのエアフロはすべて共通ですので、Ⅶ、Ⅷ、Ⅸで流用できます。
クランク角センサー
クランク角センサーに限った事ではないが、センサー類は10万キロを超えた辺りからはいつ死んでもおかしくありません。
しかも前兆がほとんどなく、いきなりこわれますから厄介です。
昨日まで普通に走ってたのに、今日はエンジンがかからない。かかっても不調ですぐ止まってしまう。
そんな時に疑うのが、このセンサーと、カムポジションセンサーです。
エンジンチェックランプが点灯すれば、ディーラーの診断機で判断できます。センサーの交換修理はそれほど高くありません。工賃入れても1万円ちょっとぐらいです。
*センサーが逝きかけの時、チェックランプがなかなか点かない時がよくあります。そういう場合は、ショップでセンサーの電圧をチェックすれば判断できます。
これはセンサーは、どれか一つが壊れたら他のセンサーも同時に交換しておくのがベストです。
私のエボはカムポジションセンサーから始まって、1年以内にバタバタと他のセンサーも逝きました。
カムポジションセンサー
クランク角センサーと並んで、点火時期や燃料噴射に関わるセンサーです。取り付け位置的にもDIYで交換しやすいセンサーですので、もしクランク角センサーを交換したら、これも替えておきましょう。
パーツ代は7000円ぐらいです。
故障した時の症状は、クランク角センサーの場合とそっくりです。
*カムポジションセンサーの交換記事はコチラ
O2センサー
タービンアウトレットに取り付けられてる空燃比計。
壊れると、走行は可能ですが燃費が悪い、アイドリングがバラつく、低速域でもたつく、黒煙を吹くなどの症状が出ます。
このセンサーの交換ですが、パーツ代が3万円以上と高額です。
しかしそれ以上に厄介なのが、交換作業が難航する確立が非常に高いのです。
なにせ取り付けられてる部分が、タービンアウトレットという超高温になる部分ですので、熱による固着がハンパではなく、最悪のケースではタービンアウトレットごと交換になります。ショップやディーラーにこの作業を依頼すると、みんな歯切れの悪い対応になります。(というか、露骨にイヤがります)
すんなり外せるかどうかは、運です。もしタービンアウトレットごとの交換になるようでしたら、ぜひ社外品にしてしまいましょう。ブーストの立ち上がりが早くなります。
補機類
走行距離が進むと、最初に心配したいのが燃料ポンプです。
ノーマルでの吐出量が150L/hだったと思いますが、ノーマルでもオーバーシュートで1.4キロ以上掛かることもあるので、ヘタってくると容量が不安になってきます。
ここで注意したいのは、雑誌の記事などでよく書かれてることは鵜呑みにしないことです。
良く見掛けたのが、「ハーネス強化で、ポンプを常に全開で駆動する」とか、「280L/hの大容量ポンプに交換必須!」とかの煽り記事で、むしろそれが定番みたいな扱いになってたのには驚きます。
CT9Aは純正で強化ハーネスになってます。さらに社外のハーネス強化キットは、ポンプを常時全開にするために純正のリレーをカットする構造になってますので、必要ない時ですら(街乗りなど)ポンプを全開で駆動し続けるので、ポンプの寿命がアっという間に終わってしまいます。
さらにポンプの容量が大きすぎると、燃圧が掛かり過ぎてトラブルの元になります。
よく燃圧レギュレーターを追加して調整すれば大丈夫、というメカもいますが、レギュレーターからインジェクターまでは大丈夫でも、ポンプからレギュレーターまでの燃料ラインが大丈夫ではありません。
掛かり過ぎてる燃圧は、ラインからの燃料漏れの可能性だけでなく、ポンプ自身に負担を掛けますので、焼き付きや故障の原因になります。
ポンプの大容量化の限度は、ノーマルの1.5倍まで、それ以上は燃料ラインの作り直しが必要なのは、レース屋では常識です。
ところが街のチューニング界ではCT9A用で人気があるのはサード製の235L/hです。これでは大きすぎることが分かります。
ベストなのは純正品を使うか、サード製でも165L/hのサイズのものを使うことです。
SARD(サード) 汎用インタンク式大容量フューエルポンプ 122mm×φ38 165L/h 用
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ターボチャージャー
ランサー・エボリューションはシリーズ一貫して、TD05Hタービンを使用してます。ただ、各モデル毎にタービンの仕様は微妙に異なっています。
しかもCT9Aになると、全部で7種類もあります。
タービンブレードの材質がインコネルかチタンか、コンプレッサーブレードの材質がインコネルかマグネシウムか、の違いだけでなく、コンプレッサーハウジングの形状の違い、アクチュエータによって制御されるバルブの形状(バルブ数)の違い、など違いが多岐に渡ってます。
ブローしやすく悪名高かった、マグネシムコンプレッサーブレードの通称マグタービンは一度対策されましたが、それでも他の材質ほどの耐久性はないようです。
レスポンスと耐久性のバランスから考えれば、チタンタービンの1択なのは間違いないですが、特にエボⅨMRに搭載されたチタンタービン、TD05-HRA-155G6C-10.5Tという型番の物が良いようです。
点火系
順番が前後しましたが、センサー類といっしょに注意した方がいいのが点火系、特にイグニッションコイルです。
ベストなのは、クルマを中古で購入したのならすぐに交換です。特別に弱い、とかの問題があるワケではないですが、7,8万キロ辺りから、あと距離に関係なく、経年劣化でも壊れます。コイル一個で2気筒を兼ねてますので買うのは2個でいいのですが、1個が1万4千円ぐらいと結構な値段してます。
プラグはイリジウムプラグを、2万キロに1回のペースで全交換してれば大丈夫です(サーキット走行が多い人は、その半分のペースで)。
プラグコードは、前期型のCE9Aのように気にする必要はありません。私は4年に1回ぐらいで交換してます。
ネットでは他にまったく出てきませんが、実際にあったレアなトラブルをひとつ。
イグニッションコイルを交換してわずか2ヶ月、またもやエンジンが不調になりました。
症状は各気筒がバラつき、まともに点火ができてない様子。
コイルが壊れた時の症状にそっくりなんですが、コイルは新品交換してまだ2ヶ月・・・
点火に影響のあるクランク角センサーやカムポジションセンサーも交換済み・・・
念のために、プラグやプラグコードも替えてみるが改善しない・・・
ディーラーで診断機をかけると、失火、コイル異常とでるが、そんなわきゃない・・・
結局あれこれ探った結果、コイルに刺さってる配線に、断線しかかってる部分があったのが原因でした。
修理の際にディーラーに配線の注文をしたんですが、ちゃんと補修部品として20cmほどの長さで配線キットが用意されていたのには、ちょっと驚きました。つまり想定されてるトラブルなのかも?
エアコン
エボに限らず、すべてのスポーツカーに言えることなのですが、エアコンを使用してる時の走り方は特別に気を付けないと、エアコンはすぐ壊れます。ひどい人だと、新車から2万キロぐらいで壊す人もいます。
注意することは2点です。
1つ、エアコン使用中は、エンジン回転数を4000以下、できれば3000以下で乗ること。
2つめは、スタートやシフトチェンジの際に、クラッチワークをスムーズにする。ドン!とした繋ぎ方をしない、ということです。
さすがのエボも、エアコンユニットは普通の物が使われてます。エンジン回転と同調して回るエアコンコンプレッサーは、2000~4000回転以内で動かすように設計されていますので、高回転まで回してると耐えられなくなって壊れます。
この時に壊れるのはコンプレッサーの電磁クラッチがほとんどです。この電磁クラッチは衝撃にも弱いです。
電磁クラッチの壊れ方もいろいろで、クラッチ部分の破損だけで済む場合もあります。それでもOHで、3~5万円くらいは掛かります。
その次がコンプレッサーの交換です。新品ですと10万円コースになってしまいます。
最悪なのが、破損した電磁クラッチの欠片などがエアコンラインに侵入して、コンプレッサー、エバポレーターなどのエアコンユニット全体に廻ってしまうことです。
この壊れ方をすると、配管も含むすべてのエアコンユニットの総交換になりますので、総額で30万円ぐらい掛かってしまいます。
この悲劇は、エアコン使用時のエンジン回転数に注意すれば、かなり防げます。
あと、エアコンに使う添加剤があります。エアコンガスに潤滑剤とオイルを混ぜた商品ですが、意外と体感できる効果がありますし、コンプレッサーの寿命を伸ばす効果もあるようです。
WAKO’S(ワコーズ)とNutec(ニューテック)から、それぞれ商品が出てますが、どちらも同じくらいの体感度でした。
オルタネーター
発電してバッテリーにチャージする役割のオルタネーターですが、これも10万キロ辺りからは、気にしていた方がいいパーツです。オルタネーターが故障する場合は、ローターに当たるカーボンブラシの摩耗や剥脱がほとんどです。
故障してもすぐには気づきにくいのが難点で、気づかないままバッテリーの残存電力だけで走っていて、そのうち路上で停止、という悲しい結末になることも。
ブースト計や水温計、後付けのファンコントローラーなどにバッテリーの電圧を表示する機能があれば、表示された電圧の数字の異常で気づくこともできます。
修理方法ですが、リビルト品に交換、というのが一般的です。新品で買うと10万円ぐらいしますが、リビルト品なら半額以下で買えますし、性能的にはまったく問題ありません。
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