毎度おなじみの、ニューテックネタ。
今回は、燃焼室に堆積したカーボン、これを除去しちゃおうってケミカル、NC-900RCRの作業インプレ。
これまでも、ニューテックの”洗浄系”ケミカルメンテナンスとして、
NC-221(燃料ラインのスラッジリムーバー)*NC-221の記事は→こちら
NC-121(吸気ラインのカーボンリムーバー)*NC-121の記事は→こちら
NC-910(エンジン内部の遅効性フラッシング)*NC-910の記事は→こちら
などを紹介してきました。
そして今回は、NC-900RCR

NC-121とは違い、ダイレクトに燃焼室の中にブチ込むクリーナー。
なかなか荒っぽい、でござるな。
ってことで、ニューテック的には店舗施行指定アイテム。
自分では、作業するなよ?って製品です。
なるほど。
じゃあ、やりますか。
自分で。
NC-900RCRの施工手順
以前にコルトスピードでの診断で、燃焼室内のカーボンの蓄積がけっこう確認されてます。
こんなカンジで。

EX側なんか、熱で堆積したカーボンが石火しちゃってる。
ここまでいくと、さすがに今回のNC-900でも効かない、とは思いますが。
IN側のバルブシートに堆積して、オイル下がりを誘発してるカーボン。
こっちだけでも、少しは落とせないか?
ダメ元で試してみます。
*結果を先に言うと、予想しなかった理由でこの目的は失敗に終わりました。
さっそく購入しようとしましたが。
なぜか楽天やアマゾンで、まったく販売してない。
以前は、いっぱい売ってたが?
NC-121なんかと組み合わせて、「パワーアッププログラム」なんて売り方もしてた。
なのに、今はまるでNC-900RCRは最初から存在してなかったかのよう。
NC-121とかは、単体で売ってますけど。
NC-900RCRだけ、見つからない。
NUTECのサイトでは、まだ普通に載ってますけど。
どーゆうこと?
生産が間に合ってないとか?
最近は一般の人でも、同じクルマを長く乗る人が増えてるらしく、こういうメンテナンス系のケミカルや添加時が、売れまくってるらしい。
もしくは売り上げ悪すぎて、生産を抑えてるとか?
まあ、個人ショップの在庫を見つけて、なんとか入手しました。

じつは、このNC-900RCRの施行、今回で2回目。
一度目は、走行距離で約7万キロくらいでやってます。
それからすでに、14万キロも走ってる。
最初の施行時の倍の距離。
間を空けすぎ。
前回に施工した時は、下準備が不足してて苦労したので、今回はしっかり準備しとく。
それは、燃焼室から溶剤を抜き取るのに使う、吸入器。
前回は、チマチマとスポイドでやりました。
アレはちょっとツラすぎ。
今回は、こういうちゃんとしたヤツを買っときました。

吸入器。
コレ、パワステオイルの入れ替えなんかにも使えますね。
あとはプラグ。
作業後に新品に交換するのがベストですが、まだ替えて間もない時なんかはもったいない。
そこで施行後は、以前に外した古いプラグに付け替え。
しばらくエンジン回して、残った溶剤やカーボンが燃えきってから、元に戻す。
準備OKなら、作業に入ります。
まずはエンジンの暖気。
油温がちゃんと上がるまで、近所を走り回る。
特にピストントップの温度を上げたいので、なるべくブースト掛けまくって走り回る。
その間に、NC-900RCRの容器を湯煎して温めとく。
この手のケミカル、化学反応を最大限に引き出すには、熱がキモ。
そして加熱後は保温用に、USB給電のドリンクウォーマーで保温。
これは、私がこの悪魔のエボを買った時には、まだこの世に存在してなかった文明の利器。

モバイルバッテリーか、シガーソケットから給電。
めっちゃ使えます。
そして全シリンダーのプラグを外す。
この際、イグニッションコイルのカプラーも外す。
理由はクランキングさせるから。

画像の中央にある、吹き矢みたいな紙筒。
これはプラグホールのゴミ飛ばし用の、自作SSTです。
用意するのは、雑誌の表紙部分とマスキングテープ。
製作時間、約30秒。
冗談みたいなシロモノですが、じゅうぶんに使えます。
プラグを外したあと、各ピストンの高さを揃える。
でないと、ピストンが下がったシリンダーに薬剤をぶち込んでも、燃焼室全体が浸からない。
理想は、全ピストンが上死点まで上がってる状態ですが、そんなの構造上ムリ。
4G63は、1番と4番、2番と3番が同じ高さでストロークしてますが。
っていうか、並列4気筒は全部そうか。
セルのちょい回しで、これらのピストンの高さをなるべく揃えるんです。
高さをチェックするのは、長めの棒みたいなモノなら、なんでも使えます。
エンジンがまだ熱いので、熱に弱い材質や、短すぎてシリンダー内に落っことしかねないのはダメね。
用意する棒は、2本あると尚良し。
1番と2番のシリンダーに突っ込んでセルを回し、突き出た棒の長さが合ったトコで止めれば、他の気筒も同じ高さになる。

いいカンジの棒が無かったので、割り箸で代用。
割り箸の場合、長さがちょっと足りない。
入れっぱなしでセルを回すのは危険に思えたので、セルを回すたびにその都度チェック。
これが案外と面倒で、なかなかピストン位置が揃わない。
何回もトライして、いいかげんにウンザリしてきた。
次で揃わなかったら、かまわずにそのまま作業に入ろうと思ってたら、なんと高さが揃った。
ようやくNC-900RCRの出番。
各シリンダーに吹き込んでいくんですが、ここで問題発生。
本来はフォーム、泡状に薬剤が出て、燃焼室をいっぱいに満たすハズなんですが。
まったく泡にならないんです。ただ液体がプシャーと出てくるだけ。
缶の角度を変えたり、ノズルの押し方変えたり、工夫してみるんですが、まったく変わらない。
けっきょく最後まで泡は出ませんでした。
これじゃ燃焼室全体の施行はムリ。
ピストントップと、ピストンリングぐらいまでがせいぜいです。
原因はどうやら、施工前の缶の振り方が不足してた、ってコトらしいんですが。
けっこう、シャカったつもりなんですがね。
泡にならないのは残念でしたが、効き目はかなり強力。
薬剤を注入するチューブが巻きグセ付きすぎてるので、まっすぐにならない。
気を抜くとチューブが燃焼室から出て、プラグホール内に薬剤を撒いちゃう。
なので、上から顔を近づけて目視しながら作業してるのですが。
中に薬剤が入ると、なんかシュワシュワ音が聴こえてきて、強烈なガスが発生。
このガスが鼻腔や喉に入ると、痛みと言っていい刺激が直撃。
作業後に、子供の頃以来の鼻うがいを、ひさびさにやるハメになりました。
泡にならずに液体だけが出てくるので、あっという間に缶は空っぽ。
その後は1時間ちょい、完全放置。

待ってる間に、再使用するスパークプラグのクリーニング。
NC-900RCRの効果を見る目的もかねて、外したプラグにかるく吹きかけときました。
ビフォーの画像を撮るのを忘れたので、画像はアフターのみ。

そうとうキレイ。
カーボン剥がしの能力は高そうです。
時間が来たので、液体の排出に入ります。
吸入器でいっきに抜きます。


薬剤は透明だったのに、出てきたのは墨汁。
中には、カーボンのかけらが満載。


ちっくしょう・・ちゃんと泡状になって燃焼室全体に浸かってれば、もっとガッツリ落とせただろうに・・・
まさかとは思いますが、実は製品の方に何か問題があってフォーム化しないとか?
そしてメーカーが回収して対策中なので、市場から消えてるとかじゃないでしょうね?
ちなみに前回に施行したときもそうだったんですが、完全に吸い取るのは中々たいへん。
プラグ穴から覗くと、ピストントップにはまだ液面がライトに反射してる。
仕方ないので、スポイドも併用。
このままエンジン再始動したら、ウォーターハンマー起きちゃうんじゃ?
あとは、プラグを付けないでタオルかなんか置いといて、セルを空回し。
余分な水分は、プラグホールから飛び散ります。
つぎは、再始動用の古いプラグを取り付け。
さっそくエンジンスタート。
キュルキュルキュル・・・
キュルキュルキュルキュル・・・
アクセルをワイドオープン。
キュルキュルキュルキュルキュルキュル・・・
まったく掛かりません。
コレなんですよ。
この作業すると、エンジンの再始動がめっちゃ困難。
前回の時もそうだった。
ぜんっぜん、掛からない。
間を空けながら、セルを回しますが、プスっとも言わない。
こういう時はバッテリーの回復もかねて、いったん休憩。
使った工具やゴミの片付け。
部屋に戻って、最近ハマってる「しくじり先生」のアーカイブを観て休憩。
最悪、バッテリーはずして充電しなきゃならないか?とか考えながら、また挑戦。
今度はクランキングの時間を、少し長めに取ってみる。
すると・・・
キュルキュルキュルキュルキュルキュル、ブスッ、キュル、ボスン。
お!初爆があった。
キュルキュルキュル、ブスン、ボボボボッ、フォオン!
掛かった!
いったん掛かれば、もう大丈夫。
5分ほどアイドリングさせて、その後は3000回転をキープ。
燃焼室の薬剤とハガレたカーボンが燃焼、排出されるまで踏む。

画像ではショボいですが、じっさいはもっとモクモク。

白煙だけでなく、アンモニア臭の混ざった異臭がすごい。
マンションの方々に、大迷惑お掛けしとります。
ちなみに、古参のニューテック信者のワタシが言うのもなんですが。
このNC-900RCRと同様の製品、他にもあります。
ワコーズのエンジンコンディショナーとか、イチネンケミカルズのエンジンチューンUPとか。
しかも、これらの方が価格も安いんですよね。
効きの方も、たぶん変わらないか、もっと良かったりしてね。
いちおうNC-900RCRには、オイルシールへの低攻撃性とか、ピストンリング周りへの施行後のカジリ防止剤などが添加されてるようですが。
でも次は、上記の製品を試すかもしれません。
さて、今年のエンジンリフレッシュ、とある添加剤を入れてフィナーレ。
じつはエンジンには、初めて使用する添加剤なんですが。
駆動系用は、OH前のリアデフにお試しで入れて効果を確かめてます。
この添加剤については、次回の記事で。
