前回のサーモスタット故障の件(サーモスタット交換の記事は→こちら)なんですが、壊れたサーモスタット交換後も、どうにも釈然としない感じが残っててしょうがないです。
新品で1年足らずのサーモスタットが、なぜ半開きで固着してしまったのか?
*赤いラインの分だけ開いたまま固着してます。
最初は使用したサーモスタット(純正です)が、不良品だったと思い込んでいたのですが。
でもこのところ、ラジエターとウォーターポンプの関係なんかを勉強してるせいもあるのか?
他に問題箇所があるせいで、正常なサーモスタットを壊してしまったのでは? という疑念まで出てきちゃってます。
ちなみに、世に出回ってる社外品のラジエターの中にはコアの設計が悪くて、冷却水路に過剰に負荷が掛かるものがあり、そのせいでウォーターポンプの寿命を極端に縮めるケースがあるらしいです。
ウォーターポンプに負荷を掛けるのなら、サーモにも良くないかも知れません。
最近、他車種ですがネット上で見つけた記事に、ラジエターキャップの不良でサーモスタットが壊れた、というものを見つけました。
その記事の真偽はちょっと分かりませんが、今回はラジエターキャップに注目してみます。
ただ、まだまだ自分でもよく分かって無いことが多いのと、検証結果もまだ出せないので、今回の記事はあまり役に立たない内容になっていますので、ご了承を。
日本であって日本では無い場所のパーキングスペースに佇む、悪妻エボ7RS。この数時間後には、エアフォース・ワンが飛来してます。
ラジエターキャップの役目は実は大きい
あんまり気にされてませんよね? ラジエターキャップって。
とりあえず定期的に替えとけばいいやって、感じでしょうか?
ちゃんと替えてるならいいですが、何年も同じキャップを付けっぱなしの人も居たりして・・・
そしてクルマのメンテナンスに気を使ってる人でも、ラジエターキャップの役目は加圧だけ、だと思ってる人が多いみたいです。
加圧すれば、冷却水が100℃に到達しても沸騰しなくなるから、そのためだけにあるってね。
ラジエターキャップって、じつは加圧用の弁だけでなく、負圧用の弁もあります。加圧弁と負圧弁の2重弁構造なんですね。そうじゃない車種もありますが、CT9Aは2重弁です。
*負圧弁をつまんで開けてみたところ。
加圧は誰でも知ってると思いますが、負圧弁は何のためにあるのか?
一言で言えば、冷却水路内の内圧コントロールのため。
高温になった冷却水は、体積が膨張します。
とうぜん水路内圧もあがるため、どこかに逃さなければなりません。
そこで加圧弁が押されて、溢れた冷却水はブリーザーホースを通ってリザーバータンクに移動して、逃されるんですね。
んで、エンジンを切って段々と冷却水が冷えてくると、いったいどうなるか?
膨張してた体積が収縮してきますから、今度は冷却水路内が負圧になってきます。
ここで負圧弁の出番です。
負圧弁が開いて、リザーバータンクに逃してた冷却水をラジエター内に戻して、内圧調整します。
冷却水路内に圧力を掛けているウォーターポンプは、エンジン回転数に同調してるだけですから、ラジエターキャップのようなパーツのみで内圧調整してることになります。
こう考えると、あんな1000円ぐらいの小さなパーツが、じつは大変重要な働きを担ってるのが分かってビックリですよね。
ラジエターキャップがヘタるのは、加圧のみではない
″ラジエターキャップがヘタる″
よく聞く言葉ですが、ほとんどの場合は″加圧しなくなる″という意味で使われています。
接地面のパッキンがヘタったり、加圧弁のスプリングがヘタったりして、加圧出来なくなってる状態ですね。
これは加圧弁側のトラブルですが、負圧弁が固着して開かなくなるトラブルもあるんじゃないかと。
以前、リザーバータンクが満水なのに、ラジエターキャップを開けたら水面がはるか下、ってことが一度ありましたが、これが原因なのか?
そしてその状態なら、内圧調整がうまくいってないので、ラジエター本体やサーモスタット、ウォーターポンプにも負担が掛かってるのか?
ちょっと検証が必要ですね。
キャップの設定圧力は?
ちょっと話が逸れますが、ラジエターキャップには、プリセットされた設定圧力があります。
日本車だと、0.9kgf/cm2あたりや、1.1kgf/cm2ぐらいが多いですね。
CT9Aの純正は、1.1kgf/cm2です。
アフターメーカーなんかで、エボ用に1.3kgf/cm2なんかのハイプレッシャーキャップ(むかしは1.5kgf/cm2!!なんてのもありました)が売られていますが、ヤメましょうね、そんなの買うの。
冷却水路の内圧は、例えば1.1がデフォであれば、1.1までは問題ないように想定されています。ホース類やバンド、ウォーターポンプやシーリングなどです。
これを想定外の圧のものにしてしまうと、必ずどこかにダメージを与えます。
ホースからの水漏れだけでなく、ラジエターをパンクさせたり、ウォーターポンプの寿命を極端に縮めてしまうかも知れません。
だいたい、1.1kgf/cm2で間に合わないほど、水温が上がりますか?上がんないですよね?
もし1.1キロで加圧して沸点上げてるのに、まだ冷却水が沸騰してしまうようなら、それはキャップでどうにかなるレベルではありません。
どっかに早急に修理が必要な異常があるか、あるいは走り方がハード過ぎるのであれば、冷却系をさらに大容量のものに変更しなければなりませんね。
ハイプレッシャーキャップも、百害あって一利なしのゴミパーツです。
結局、ラジエターキャップはサーモスタットの故障に関係あったのか?
う~ん・・・正直分かりません・・スイマセン。
キャップを替えないで使用を続けて、また1年前後でサーモスタットが半開きで固着したら、かなり疑わしいと言えるんじゃないかと思いますが・・・でも気持ち悪いからラジエターキャップもとうぜん交換しました。
とりあえずこのまま、1,2年は様子見ですね。