OBD2診断機/ダイアグコード・スキャンツール

何年も前からですが、いつかは買わなきゃ、とは思ってたんですが。

以前のこの作業(←)がきっかけで、ついに買ってしまった、OBD2診断機。

スキャンツールとも呼ばれますが。

なんかYoutube界隈でも、OBD2診断機ネタが増えてます。

これって、故障の多い古いクルマのオーナーが以前より多くなった、ってだけじゃないですよね。

イマドキのクルマなんか、まったくよけいな過剰電子装備てんこ盛り。

そのせいで、昔のクルマには無かった、つまんないバグやエラーが増えてんですよ。

そのエラー消すのに、いちいちディーラーに行かなきゃならないのも、面倒くさい。

しかも最近のディーラー、このOBDの診断が有料になってきてるトコもあるし。

私も一度だけ、4000円取られました。なぜかその後は、また無料になりましたけど。

そして格安の中華製の診断機の台頭。

以前は手が出なかった高価なスキャンツール、なんと今は数千円台から買える。

これならヘタすりゃ、一発で元が取れる。

ある理由で、長年購入をためらってた私も、ついに購入。

ためらってた理由、この後で書きますが、購入したのはコレ

チャイナブランドの、「TOPDON」

モデル名は、ArtDiag500。AD500ですよ。

しかしトップドンって・・・

あいかわらず、チャイナのネーミングセンスにはシビれます。

っていうか、なんで一発でチャイナって分かるような、ヘンな英語ベースの造語使うんでしょうね?

どうせ英語使うなら、ちゃんとした英名にすりゃいいのに。

ではこの後は、購入までのいきさつ & 製品インプレを。

OBDの規格と対応診断機

このOBDですが、On Board Diagnostics の略です。

意訳すれば、車載診断ですか。

エンジンを制御するECUとの、通信ポートですね。

今はエンジンだけでなく、駆動系や制動系、その他すべてがECUを通りますので、クルマ全体の制御に関わります。

はじめてOBDが搭載されたのは、90年代のアメ車。

その後に世界に広がって、日本では正式に義務付けられたのは2008年から、と遅いんですが、義務付けのずっと前から、一部の車種は搭載を開始してました。

この2001年製の、CT9A・ランサーエボリューションⅦにも搭載されてます。

この頃のOBDは、日本国内のみの規格だったので、通称「JOBD」と呼ばれるモノが主流。

問題は、CT9Aに搭載のOBDの規格がどれなのか、よく分からないコト。

少なくとも、現行のOBD2ではないはず。

ちなみに、現在採用されてるOBD2、厳密には規格ではありません。

これはあくまでも、範囲というか、領域みたいなもの。

同じ形状のカプラーで接続できて、同じスキャンツールで読み取れる、複数の規格。

2008年以前に生産開始された国産車は、OBD2診断機では読み取れない規格のモノが多い。

ランサーエボリューションで言うと、CP9AのエボⅥまでは、たしかOBD搭載自体がありません。

そして最終のCZ4A・エボⅩは、OBD2です。

ところが、その間にあるCT9A、ⅦからⅨ、こいつらのOBDが何なのか、ググりまくっても良く分からない。

昔の場合はたとえOBD搭載であっても、その車種専用とか、そのメーカー専用の規格で作られてたり、日本専用の規格のOBD、通称「JOBD」だったりする。

そうすると、市販のOBD2診断機は使えないんですよ。

特に現在人気の、1万円以下の格安中華系の製品、こいつらはOBD2以外にはまったく対応してません。

ちなみに三菱ディーラーなんかで使用してるのは、MUT-2(現行はMUT-3)

このMUTや、日立のHDMシリーズ、あとG-SCAN製品なんかは、OBD2だけでなく、JOBDや他の古めのOBDにも対応してます。

しかしこれらの製品、とっても高価。

MUT-3だと、中古でも15万円くらい。

日立のHDM、一番安いHDM-350でも約8万円。

G-SCAN製品に至っては、うん十万円。ハナシになりません。

*っていうか、日本製のスキャンツール、中身の構成部品を考えたら高価過ぎますよね。

私が知らないだけで、自動車メーカーにパテント料とかの支払いでもあるんでしょうか?

コレが、今まで購入をためらってた理由です。

OBD2診断機は、持ってた方がいいツールではありますが、絶対でもありません。

エラーコードが分かれば、トラブルシューティングが1発で済む、というワケではないです。

チェックランプが点灯せず、エラーコード(DTCが正式名称)が出ないエンジントラブルなんかザラにあります。

たとえDTCが出ても、漠然とした内容だとか、思いっきり的外れの場合も、よくあります。

私が以前に大ハマリしたPCVバルブのトラブル、あの時に出てたDTCは、「点火コイルの異常」でした。

コイル、まったく関係なかったです。

10万とか出して、その元が取れるほど使い所があるか分からない。

しかもこの先ずっと使える保証もない。

新規格に変わってしまったら、もはやそれまで。

そして安い製品は、そもそも使えるかどうかすらアヤシイ。

これじゃなかなか買う気にならないですよね。

じゃあなぜ、今回このTOPDON・AD500を買ったか?

それはチャイナ製には珍しく、使用できる対象を年代ではなく、規格で表示されてたから。

この製品、使用可能対象の表示に、OBD2以外にも、EOBDやJOBDの表示があった。

あとユーザーレビューの中に、エボⅦと同年代の日本車があったから。

私、CT9AのOBDは、JOBD対応だったら通信可能じゃないか?と思ってた。

さらに言えば、この2万円台という価格。

2万ちょいなら、まあ元は取れるし、仮にハズしたとしても、あきらめつく価格かと。

TOPDON ArtDiag500/AD500

注文して、数日待って到着。

ダンボール開けると、こんな箱。

そして箱の中身はコレ

ギリ、価格分のパッケージかと。

キャリーバッグと、接続用ケーブル。小さいケーブルはUSB-2とUSB-Cのケーブル。たぶんPCからの充電用。

取説はこれ

マジでこれだけ。5ヶ国語分ありましたが、全部内容はこれだけ。

スマホと同じで、触って覚えろ、ってことか?

じっさい、まあまあ感覚的に操作できるので、マニュアルは不要です。

さて、このモデル。

新品状態だと、ただの箱です。

何のデータも入ってません。

使用前にソフトウェアのDLとインストールが必要です。

そのためにWi-Fi環境が必要なんですが、ここで躓いてクチコミで悪評付けてる人が一定数いますね。

ただ、たしかにちょっと面倒ではあります。

だってすぐ使えないんですから。

私んち、Wi-Fiありません。

ネットは光回線を有線で、ゲーミングPCに直結。

一時期、海外のオンラインFPSにハマってたので、少しでもラグを発生させる要素を排除するセッティングになってます。

マウスだって、あえて有線使ってるくらい。

仕方ないので、スマホのデザリングで対処。

まずは電源オン。

そして画面が変わっていく。

そして最初は、言語設定。

もちろん日本語を選びましたが、これ英語のままの方がよかったかも?

後で使って分かったんですが、日本語、けっこうヘンなんで。

次に地域とタイムゾーン選んで、画面はアップデートへ。

これって、アップデートというより、ソフトウェアのDL。

各メーカーのソフトウェア入れないと、診断が出来ません。

各メーカーのファイルサイズと、右上のDLの容量を見てください。

めちゃめちゃ時間が掛かりました。

三菱だけDLすればよかった。

ついつい、国産全メーカーと、有名輸入車メーカーを全部入れてしまった。

だって友達のクルマ、診てあげる機会あるかも知れないし。

友達は、飼いネコしかいないけど。

これが終わると、ようやく使用準備完了です。

OBD診断/DTC(エラーコード)の消去

さっそく、我がエボのOBDカプラーに接続しましょ。

国産車の場合、カプラーの位置はだいたいココ。

運転席の左側の裏側あたり。

この黒いヤツ。

となりの白い大型のカプラー、何用なんでしょうね?

カプラー入れたら、診断機の電源をオン。そしてクルマのキーをONの位置。

エンジンは掛けない。

最初はなんか「クルマとの通信を確立してます」だの何だのメッセージが流れます。

そしてディフォルトの画面へ。

左側の3つの大きなキーが、よく使うヤツ。

右側の小さめの6個のキー、正直言って、いらない子達。

2001年製のクルマでは使えないのもあるし。

更新キーぐらいですか。後に必要なのは。

一見、「診断」のキーが最初に必要っぽいですが、DTC(エラーコード)を読みに行くなら、「OBD/EOBD」ってキーが先。

「診断」の中のメニューでもDTCは読めるんですが、なぜか最初は表示されなかった。

いったん、「OBD/EOBD」の中でDTC検索してからだと、「診断」でも表示されるようになりましたけど。

ま、最初はよく分からず、「診断」キーをタッチ。

するとメーカーの選択になります。

三菱だけインストールしとけば良かった・・・

メーカー選択すると、この画面。

車種の選択を、自動検出にするか、手動で入力するかの選択。

とーぜん「自動」で。タッチ!

・・・VIN情報って?

わからないので、「読み取り」で。

失敗しとる!

あとで調べましたが、VINコードは国産車の場合、車体番号でした。

が!

2001年製とかの古さだと、車体番号を手動で入力してもムダでした。

しかたないので、車種の選択まで戻って、手動選択をタッチ。

2005年までの製造か、2006年以降か。

つまり、このあたりが境目なんですね。

もちろん、「Up to 2005MY」をタッチ。

どうせ「自動的にスキャン」をタッチしても、また古すぎてムリ的なこと言われんだろ、とスネて、「車両プロファイル」をタッチしましたが、何も起きないので、自動的スキャンで。

こんなメニュー。

いちばん上のMFI以外、私のクルマには付いてない機能ばっかなので、MFIをタッチ。

「ECU情報」は意味なかったので、「データストリーム」へ

おお!ようやく、ソレっぽくなってきた。

ただ、これはエンジン掛けながらチェックするものですね。

センサーの値なんかも見れるので、エラーコードとして反映されない、一瞬のエラーなんかも見れそうです。

ただ、ココでは既に記録されたDTCは見れなかったので、ディフォルト画面に戻ります。

*なぜか後になって見直してみると、DTCも表示されるようになってました。よく分かりません・・・

ディフォルト画面

今度は、「OBD/EOBD」をタッチ。

するとこんな画面。

「Auto Scan」をタッチ。

次の画面の前に、もう1ステップなんかあったような気もしますが、ちょっと覚えてない。

ちょっとこの辺から、画面の順番があやしくなってくるんですが。

順番をよく覚えて無くてね。

まあ、「DTC & FFD」をタッチします。

FFDってなんなのか知らないけど。

出ました!DTC!エラーコードですね。

P0170ってのは、すごく範囲の広いコードで、燃料系からエアフロ、点火まで入っててカオスです。ただ、この場合はEGR絡みで出てるのは間違いない。

下のコード、P0403を消したら、一緒に消えました。

P0403は、おなじみのEGRバルブエラーのコード。

最近だとこのコード、トヨタ・プリウスのEGRネタで、世間を騒がせてます。

ちなみにこのコード、エボⅦだと「EGRバルブ」がダメなのか、「EGRソレノイドバルブ」がダメなのか判別できません。エボⅨのECUだと別々のコードで表示されると聞きましたが、本当でしょうか?

とりあえずコードをハイライトしたら、「DTCをクリアする」をタッチして、コードを消す。

「このまま消したいのかい?ホントに続行するかい?」

と、聞いてくるので、アイム ガッデム シュア な私は、「はい」をタッチ。

この画面か、

この画面か、忘れましたが。

これでエラーコードは消去されてます。

エンジンチェックランプも消えました。

あとはちょっと遊んでみます。

「I/M」って何?

*たぶん、Inspection & Maintenance のこと

検査ですね。これでざっと見て、異常が出てないかチェックできる。

「準備しました」って日本語がオカしいですが。

「Malfunction Indicator Lamp」はエンジンチェックランプですね。

車検でチェックランプの電球抜いてゴマかしても、ここでバレます。

さて、チャイナ製の安物のOBD2診断機・スキャンツールで遊んでみました。

これで2万円ちょい。

エボⅦの場合、この機種より安いヤツだと、まったく通信できない可能性があるので仕方ないですが、けっこう微妙かもしれません。

ACD-ECUはまったく読めないようですし。

MUT-2、3だと、ACD-ECUのエラーも拾えますし、ただコードを読むだけじゃなく、ソレノイドを強制的に動かしたりも出来ます。

ただしアッチは、中古でも15万円以上・・

三菱専用のMUTじゃなくても、高額系スキャンツールはだいたいMUTと同じ機能があります。

これから診断機を買おうとしてる方、もし余裕があるのでしたら、やはり十数万円ぐらいの製品をオススメします。

エラーコードが見れて消せる、それもエンジン周りとブレーキのABS、AT車だったらATミッション、これぐらいの範囲でいい、って方だったら、このTOPDON/AD500でも、まあ使えますけどね。

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