先日に交換、取り付けした、新しいブーストコントローラーのプロフェック。
*ブーストコントローラーの交換記事は→こちら

コイツは、いままで長い間愛用してた、ブリッツ・SBC-iDとは違い、マニュアルでセッティングする必要があります。
SBC-iDも、マニュアルセッティングモードはあったんですが。
なんせフルオートモードがラクすぎて、しっかりとは使ったコトなかったです。
目標ブーストを実際の数値で入力、あとは勝手に学習モードに入り、しばらく走り回ってれば終了ですからね。
初期学習後も、普段の走りから補正を入れ続けるし。
しかしこのプロフェック、学習モードなんか無いし、補正もしません。
そこらへんが値段の差ですねえ。なんせ実売価格が3万円台ですから。
ただ、SBC-iDにくらべて、大きく進化してる部分が2つ。
まず、ソレノイドバルブ。

SBC-iDはツインソレノイドでしたが、プロフェックはシングルソレノイド。
このシングルで、ブリッツのツインよりも高速で動作し、容量も大きいとか。
そして、そのバルブを制御するCPU。
これはもう、作られた時代が10年は違うから、とうぜん性能は別次元。

この以前はムリだった高速スイッチング動作、このおかげでブーストの立ち上げ方、以前とは真逆になってる。
昔のブーストコントローラーのバルブ制御って。
目標ブースト値に向かって、ジワジワとビビリながら、上げていくイメージ。
これはバルブ制御スピードが低いから、オーバーシュートを恐れてるからなんですが。
イマドキのブーコン、まず一気に目標値近辺まで全開でかっ飛ばす。
そして目標値あたりで、キュッと急ブレーキでシメるカンジ。
おかげで、ブーストの立ち上がりが異様に早い。
この制御、HKSはなんかカッコいい名前つけてたような? なんだっけ?
この立ち上がり方、SBC-iDとは、ぜんぜん違いますね。
そしてこの制御も、プロフェックではマニュアルでセッティングしなきゃならない。
こんなふうに書いてると、プロフェックって使いにくくて面倒なブーストコントローラーって印象ですが。
じっさいはカンタンです。
マニュアル読まなくても、ほぼ直感的に操作できます。
スマホみたいに。
HKSのEVCの方が、よっぽどメンドクサイ。
あっちは現行の7型では、少しマシになったらしいですが。
それでも、EVCは5型以降は、けっこうタイヘンみたいですよ。
特に6型は。
あのダイヤルやめたのが、マズかったみたい。
DLしたマニュアル、何回も読んでみましたが。
何言ってんのか、よくワカランかった。
それでは、じっさいのセッティングのやり方ですが。
基本の操作方法とかは、長くなっちゃうので書きません。
プロフェックのマニュアル、トラストのHPから無料DLできますから、そっちで見てください。
キモのブーストセッティングの部分だけ、ここでは説明します。
プロフェックの基本セッティング
*最初にお断りしておきます。これから書くのは、完全な私見です。ひょっとしたら、私が盛大に勘違いしてる部分、あるかも知れません。
そして入力の数値ですが、この数値が他のCT9Aランエボに当てはまるかの保証は、いっさい致しません。
そしてこのセッティングの数値、プロ目線からだと、ぜんぜん間違ってる可能性も大アリです。
こういった数値の方がイイよ、ってご意見は大歓迎です。ぜひメールしてください。
まず初めて取り付けたら、最初にやるのは画面の表示の設定。
ディフォルトは、あのデッカイ数字の表示ですが。
あれじゃなくて、3つ選べる表示方法の中から、最後のグラフ表示を選びます。

この表示方法じゃないと、ブーストのタレが分からないんですよ。
っていうか、ディフォルトのデカ数字のヤツ、私には運転中の視界にチラつきすぎてジャマ。
セッティング終了後も、このグラフか2番目のバー表示でいい。
まず走り出す前に、とりあえずの数値を入力しないといけません。
この数値ですが、基本は

この上の3つ。
最初の「SET」が目標ブースト値。
オフセット入力式なので、バルブ開弁率の100%に対して、何%開けるか?の数値を入れる。
このオフセット入力方式、ソレノイドバルブタイプに多いですね。
HKSでも、バルブにステッピングモーターを使うEVC7は、ブースト値をそのまま入力するダイレクト方式ですが。
ソレノイドバルブを使うEVC-S2は、プロフェックと同じオフセット入力方式。
次の「GAIN」は、本来はブーストのタレの補正。
ピークブースト後の落ち込みを抑える役目なんですが、じっさいは立ち上がりにも強く影響します。
3番目の「START」、これは名称がおかしい。誤解を招く。
ここでは実際のブースト値、たとえば120kpa(プロフェック上では、1.20kpa)って、入力するんですが、この数値は、ざっくり言えば「ここまではバルブ全開でいいよ」って、数値。
前述したイマドキのブースト制御、目標付近まで一気に上げる、って制御法の目安値。
そして、「GAIN」と「START」の2つは、密接に絡み合って影響しあいます。
これがメンドクサイ。
これが完全独立してれば、セッティングはチャッチャと終わるんですが。
でもこれはターボチャージャーとしての特性上、どんなコントローラーでも同じでしょうね。
ブリッツのSBC-iDの場合は、この2つを「Gain」という1つのコントロールで制御してました。
ラクで良かったですけど、その分、制御がアマくなってたような気がします。
では、最初のざっくりした数値ですけど。
まずは、
SET=40
GAIN=+20
START=1.25
から、始めてみました。
一応、目標ブーストは、プロフェック上で1.30kpa。
走り出してすぐに、この数値は大間違いだと分かりますが・・・
この数値の根拠ですが。
むかしにチューニングショップとかにタムロってた頃に聞きかじった、オフセット入力方式のブーコン付けた他のエボオーナー達との会話で出てきた数値のうろ覚え。
それとSBC-iDでちょっとだけ行った、マニュアルモードでの経験上のデータ。
走り出してすぐに、11月のこの気温で、2速でも1.41kpa(140kpa)とか掛かっちゃうコトが判明。
これはアブナイ・・・
このままだと、3速、4速ではどうなるやら。
まずは「SET」の数値を、35とかに下げる。他はそのまま。
そうすると、ピークの値は1.32~1.35kpaとかになるが、ガバ踏みしなければ1.25kpaで落ち着いてる。
そこで今度は、「GAIN」と「START」をイジり始める。
オーバーシュートを抑えるため。
なんせ1)から3)までの調整枠の内、その2つが絡み合う、っていうセッティング。
切り分けて考えるのと、極端に振り分けてから始めないと分かりづらくなる、という結論。
せっかくブーストチャンネルが、HiとLoで2つあるんだから。
どっちも「SET」の目標ブースト値は同じまま、「GAIN」と「START」を極端に変えた数値を入力して、チャンネルを切り替えながら走って、ベストな数値を探ることにします。
まずHi-Boostの方。
こっちは「GAIN」を上げ気味で、
SET=33
GAIN=+20
START=1.25
から。
「SET」のオフセット値の33ですが、これは3速、4速でのベタ踏みを繰り返して得た数値。
もう少し寒くなったら分かりませんが、33であれば1.35kpa以上には、ほぼならない。
とりあえず「SET」値は、”33” で決定しておきます。
そしてここから、「GAIN」、「START」の値を下げる方向で調整。
そしてLo-Boostですが。
こっちは、
SET=33
GAIN=-10
START=1.10
ここから、「GAIN」、「START」の値を上げる方向で調整。
「GAIN」は思いっきり、マイナスに振ってから始めてます。
この2つのチャンネルの数値から、真ん中に寄せていきながらセッティングするイメージ。
通常の街乗りでも調整してますが、おもなテストコースは、とあるバイパス。
かつては有料だった、片側2車線のアップダウンの激しい道路。
長さもけっこうあります。サイズ的には、高速道路と変わらない。
このアップダウンがあって負荷を掛けやすいのと、路肩の幅が大きいのがステキ。
ブーストコントローラーのセッティングにはうってつけ。
いい歳した中年が青いコスプレして相乗りした、キモチ悪いトヨタ系セダンが24h時間を問わず出没する場所でもありますので、注意は最大限に必要ですけど。
走る日を何回も変えて、いろんなパターンで走ってみた結果。
とりあえず、中央値がここに辿り着く。
SET=33
GAIN=11
START=1.20
これでブースト1.30kpa(130kpa)で、だいたい安定する。
これを、Hi-Boostの数値にしておきます。
Lo-Boostですが、こっちは実験用にして、これからも数値変えながら様子見。
エボⅦのRSのノーマルブーストは、オーバーシュート時に1.4kg/cm2(140kpa)以上、掛かってた。
つまりノーマルよりダウンしてるんですが、ノーマルのあの数字、いくらなんでも掛かり過ぎ。
あのまま乗ってたら、たぶんエンジンは20万キロも保ってなかったんじゃないでしょうか?
ランエボシリーズの中でもエボのⅦだけは、トンガリ過ぎた仕様で出しちゃった、って、後に三菱の開発陣も言ってましたが。
ピークブーストは下げましたが、じゃあクルマが遅くなってんのか?
ノーマルのトロくて雑な制御と違い、イマドキ制御はブーストの立ち上がり方がまったく違う。
正直、走る場所によっては、思わずアクセル抜いちゃうくらい速いです。
半年前に替えた燃料ポンプ、195Lで足りてんのかな?って、ちょっと心配になるくらい。
まあ、数値に関しては、これからも追い込んでみます。
