ランエボの4G63、初代エボ1からエボ8MRまで(エボ9は違う)ロングタイプの通称Gタイプというスパークプラグが使用されています。
このGタイプのプラグ、じつはかなりオールドタイプで、昔のニッサンのL型だとかトヨタの2T-Gなんて古いエンジンにも使用されてたものです。
こう書くと、4G63もなんだか化石のような気がしてきますね・・・
プラグ交換をリポートしつつ、じつは一発でエンジンを壊しかねない、怖い話を紹介します。
プラグ交換
前回の交換からまだ4ヶ月しかたってない(走行距離5000km弱)のですが、失火のような症状が出てきた私のCT9A-RS。
MUTの診断ではイグニッションコイル不良でしたので、早速交換し、その後2,3週間は問題なかったのですが、また失火症状が出ました。どうやらコイルではなく、プラグがだめだったようです。*CT9AのECUでは、プラグであってもコイル異常としかエラーコードが出ません。
使用していたプラグは、HKSブランドのスーパーファイアレーシングのMシリーズのM40G。
最初は同社のSシリーズを使ってましたが、製品不良があったのとMシリーズの登場で乗り換えたわけです。
ちなみにSシリーズはデ○ソー製、MシリーズはNGK製です。ここらへんのことも、Sシリーズの製品不良と合わせてあとで詳しく書きます。
今回はHKSではなく、普通にNGKから出てるイリジウムプラグのひとつに交換します。型番はBPR8EIX、熱価8番です。
ちなみにノーマルでは、エボ1~3までは熱価6番、それ以降は7番のプラグです。
スポーツ走行の場合は、8番推奨ですが、じっさいは街乗りでもすべて8番で問題ありません。というか、8番をおすすめします。8番での焼け方を見る限り、7番はともかく、6番では低すぎです。
交換の注意点
三菱ディーラーで以前に聞いたのですが。
素人がDIYでのクルマいじり中に壊して、ディーラーに修理依頼で持ち込まれる理由のNo.1が、なんとプラグ交換の失敗だそうです。
プラグホールにななめにねじ込んでしまい、途中でプラグを折ってしまったとか、強くトルクを掛けすぎてネジ穴をバカにしたとかが多いそうです。
そんなことにならないように、いくつか注意点を書いてみます。
ちゃんとした道具を用意する
カーショップで安く買えるプラグレンチは、使いにくい上に力加減がわかりにくいのでおすすめしません。
ベストなのは、ラチェットレンチと組み合わせて使う、プラグ用のソケットです。
ラチェット本体に、20cmぐらいのエクステンションバー、プラグ用ソケットの組み合わせは、プラグの脱着時の力加減がやりやすく、効率もよく作業できます。
プラグを外す前にプラグホール内を掃除する。
プラグホール内には、いがいとゴミが溜まってるものです。
掃除機で吸い取るか、エアスプレーなどで吹き飛ばしてから作業を始めましょう。
ゴミがエンジン内部に落ちたりしたら、ゴミの種類によっては致命傷になります。
ラチェットを使うのは、一番最後と最初だけ
最初に緩める時、そして最後にきっちり締める時、
それ以外は、エクステンションバーを利用して素手で作業しましょう。
そうすれば斜めに入れ込んだりなんてバカなトラブルはありえません。
締めすぎ注意
締める時のトルクは2kg~3.5kgぐらいが推奨ですが、トルクレンチがない場合はどうするか?
新品プラグの場合、4G63に使用するプラグのネジ径は14mmですから、手でくるくると締めていって、かつんと台座が当たったところから、ラチェットレンチで180°から240°ぐらいで締める、というのが目安になります。
ちょうどそのくらいでラチェットのハンドルが回せなくなるはずです。
HKS・MシリーズとNGK・BPR-EIX
HKSのMシリーズはNGK製なのですが、BPR-EIXとは違うのでしょうか?
どちらも0.6mmのイリジウム電極を持ち、スペックは同一のようですが?
見た目はそっくり同じです。
唯一見た目で違うところが、ネジ部の外側金属ボディ部分と、中心電極の絶縁体ガイシとのスキマです。HKS/Mの方がスキマが狭いです。
この差がどんな違いを生むのか? こんどNGKに聞いてみます。
ところで、プラグとプラグコードに関しては、NGK製以外は使用しません。
なぜ他のメーカーではダメなのか? 次ではそこに触れてみたいと思います。
プラグの品質について
チューニングカーに昔から乗ってた方などは、今から10年ぐらい前にあったHKSのレーシングプラグ、Sシリーズの初期不良率の高さを覚えているかもしれません。
当時登場したばっかりのイリジウムを、中心電極に使用して大人気になりました。
その太さが0.4mm!と驚異的な細さでびっくりしたのを覚えてます。
ま、今思えば、いくらなんでも細すぎだったんですが・・・
そしてこのSシリーズ、かなりの問題を起こしてしまいます。
私も体験したのが、プラグコードがはまる部分のターミナルが緩んで接触不良になるというトラブル。これはかなり多かったらしく、ネットでも話題になりました。
その次によく聞いたのが、なんと電極が細すぎて融解してしまう!というものです。
失火して1気筒死んだのでプラグを外してみたら、なんと電極が無くなってたという!
あと、絶縁体のガイシが割れるというトラブルも良く聞きました。しかも割れたガイシの欠片がエンジン内に落ちてブローなんてことも。
HKSの方でもあまりのクレームの多さに驚き、製造メーカーに対応を迫ったそうですが、この製造メーカーは責任逃れに終始して、まったく改善しなかったそうです。
おそらくMシリーズをNGKをパートナーにしてスタートさせたのも、この製造メーカーと縁切りするためだったのでは?
この不誠実な製造メーカーこそ、デ○ソーです。
ちなみにプラグでは電極だけでなく、電極の絶縁状態を保つガイシの素材や形状が非常に重要です。NGKはこのガイシの製法に特許を持っていて、世界でもNo.1レベルだそうです。
他のブランド、たとえばスプ○ットファイアなども、かつてリークしまくるプラグコードで有名になってからは、いっさい使用しません。
夜にボンネットを開けると、それは美しいライトニングショーが観れました。
最悪エンジンブローまでありえるプラグ選び。慎重に選択したいものです。