けっこうレアな、エンジン不調のトラブルを経験したので、ちょっと記事にしときます。
今にして思えば、動画を撮っておくべきでした。
あのエンジン音、いいサンプルになったのに。
ですがトラブルシューティングで精一杯だったので、画像すら撮っとく余裕がありませんでした。
今回は、ほとんど文字だけの内容になりますが、御無礼!ということで。
突然のエンジン不調
ある日の朝のことでした。
出勤しようと、エボのキーをひねってエンジンスタート。
このくらいの気温ですと、セルが回るとワリと即、ドウンッ!と目覚めるはずの4G63なんですが。
なんか、ド、ドウッってモタついた掛かり方。
暖気中しばらく見てますが、掛かった後はまあ、普通なカンジ。
水温が60℃を超えたので、スローに走り出す。
いつも85℃くらいまでは、あまり回さずゆっくり走るんですけど。
なんかこの日は、アクセルのツキがおかしい。
ご存じの方もいるでしょうが。
CT型でもエボⅦだけは、低い1速のギア比と、純正でも攻めすぎたマッピングのせいで、1速でのアクセルワークがワリとシビアなんですが。
発売当時、三菱にヘボ乗り達からクレーム殺到したくらいセンシティブ。
なのに、それがなんかレスポンスが悪い。
「なんか妙だな?」
そう思いながらも、職場まではそれほど悪化することなく到着。
そして帰宅時。職場の駐車場。
いきなりエンジンが掛かりません!
っていうか、なんか「ボボッ、ボボッ、」って初爆が起きてはいるんですが、キチンと回りださない。
試しにアクセルをちょい踏みしながらセルを回してみると、なんとか掛かる。
キャブ車か!
でも、掛かることは掛かったんですが、妙にハンチングしたかと思うと、止まりそうなくらい乱れたアイドリング。
しっかり水温上げてから、そろ~っと走り出してみる。
すると、アクセルをちょっとでも踏み込むと、ボボボっとストール。
踏むか踏まないかぐらいで、ジワ~っとやると、ゆっくり回転が上がって行きます。
これはヤバいですよ!
その日は幸い、連休前の最後の勤務日。
某漫画のFD使いも顔負けの、繊細すぎるアクセルワークでなんとか帰宅する。
次の日からトラブルシューティングです。
トラブルシューティング
まずは情報をもっと得るため、その辺を走ってみる。
世間はゴールデンウィーク真っ盛り。
私の悪魔のエボは絶不調!
とりあえず、GW中も営業してる三菱ディーラーに連絡取る。
私の手持ちのスキャンツールだと、DTC(エラーコード)は診れますが、リアルタイムでのセンサー異常、全部のセンサーは診れない。
ディーラーのMUTなら診れるはず。
が、その前に、まずは自分で出来ることは、先に全部やっておきます。
エンジンの回転が乱れる時に合わせて、生ガス臭がひどくなる。
失火してるのは、間違いないです。
ただ、失火そのものが不調の原因ではなく、何らかの原因で失火症状も伴ってるカンジ。
ムダだとは思いましたが、手持ちのイグニッションコイルとプラグを投入。
全部交換してみる。
まったく変化ありません。
・・・ですよね。
次にストールの仕方がPCVバルブの異常の時に似ているので、PCVバルブを外してクリーニング。
*PCVバルブの記事は→コチラ
分かってましたけど、まったく関係なし。
このバルブ、定期的にクリーニングしてますしね。
今度は、各センサーのカプラーとハーネスを丹念にチェック。
特にエアフロや、クランク角センサー、カムポジションセンサーあたりは入念にチェック。
この辺のセンサー類、モノによっては2周目に入るほど交換してきてますが、ハーネスはそのままですからね。接触不良や断線が出てきてもおかしくない。
OBD診断機との通信に問題ないことから、ECUはたぶん大丈夫。
ちなみに診断機では、とくにエラーは出てません。
アクセル入れた時のストールの具合から、
「燃料が来てないんじゃないか?」
という疑いも、脳裏をよぎりましたが。
ですが燃料ポンプ、1ヶ月前に交換したばっか、なんですよね。
*燃料ポンプ交換記事は→コチラ
それに仮に燃料ポンプだとすると、壊れてるくせに完全には止まらず、回り続けてることになります。
そういうポンプの壊れ方は、私の経験にありません。
ここで現在の症状をまとめると、
1)エンジンの掛かりが悪い。アクセルで煽らないと掛からない。
2)アイドリングが乱れてる。
3)アクセルを踏み込むとストールする。
4)ほとんど踏まないくらいでジワ~とやると、なんとか走行可能。
5)回転が乱れた時は失火してる。生ガス臭がひどい。
こんな感じの不調って、はっきり言って原因になり得ることはあり過ぎる。
1)まずは点火系。コイルなどですね。コイルに繋がるハーネスやカプラーも。
2)燃料ポンプ。あるいは、ポンプを駆動させる電源側の問題。例えばリレーやレジスター、ハーネスの劣化。
3)燃料系だと、プレッシャーレギュレーター、燃料フィルター、インジェクター、インジェクターレジスターなどの故障や詰まり。
4)センサー類の劣化・故障。こんな症状が出るのは、エアフロ、カム角センサー、クランク角センサー、MAPセンサー、スロットルポジションセンサーなど。
5)ECU本体の故障。
他にもあるでしょうが、これらがよくある原因。
私の場合、まず1)は違う。定期的に交換してる。
2)は、ハーネス以外は交換済み。しかも交換後から、まだ年数が浅い。三菱車なんで、ハーネスはちょっと疑惑は残る。三菱は電気弱いですからね。
3)も、だいたい交換済みですが、インジェクターレジスターはまだ。ただし、アクセル開度との症状の連動の仕方から、インジェクター関係はおそらく無いです。
4)これらのセンサーもすべて交換履歴あり。ただ、交換から8年ほどは経ってるモノもあるので、絶対大丈夫とは言えない。
5)これはまず無いです。ECUがトンじゃうと、すべてがメチャメチャになりますし、診断機との通信なんか出来ない。
さあ煮詰まった。
とりあえず予約取ったディーラーに行ってみます。
GW中で繁忙期のディーラーさん、時間を見つけて限られた時間内で診てくれましたが。
疑わしさが残る燃料ポンプハーネスも、しっかり電圧出てるかテスター当ててくれました。
電圧はちゃんと来てたようです。
結果から言うと、残念ながら原因特定には至りませんでした。
ただ、重大なヒントを発見してくれました。
それは燃圧。
フューエルデリバリーパイプの部分で、燃圧測ってもらったんですが。
なんと0.8kしか出てない。
本来なら、2.5k~3.0kはあるはず。
ただですね、燃圧って測り方によっては、例えばアイドリング時なんかだとやたら低い数値出ることはあるんですよ。
要は回転上げていったり、ブースト掛かったりして、燃料が必要な時にしっかり掛かればいいんであって、要らない時にはポンプの駆動を最小限にする制御は普通です。
なので、ディーラーメカニックも、そこまでは重視してませんでした。
ディーラーも忙しいので、これ以上預けておけず、何も改善しませんでしたが車を引き取って帰宅。
トラブル解決
帰宅してからも、いろんな可能性を調べまくります。
二次エア吸っても、たしかこんな症状が出るんじゃ?と思い、パイピングを徹底的にチェックしたりもしました。
ただ、その辺も順次、交換してきてるので、ヤレたバキュームホースだとか無いんですよね。インテークのパイプ類も交換してるし。
しかし深く考えれば考えるほど、「0.8kしかない燃圧」って言葉が、アタマを離れません。
なぜなら、アクセル操作に苦心しながら乗ってる時の感触、燃料が足らないって感覚があったから。
その自分の感覚を否定してるのは、交換後からたった1ヶ月で壊れるワケない、という思い込み。
でも、もしソレが起こってたら?
サードのポンプが、取り付け後なのにすぐ壊れた、って話、過去に聞いたことがないワケではない。
あと、ポンプ本体は問題ないが、供給される電圧がドロップする、ないしは電力が安定して供給されない、なんてトラブルも知られてます。
これらはハーネスの劣化だったり、ボディアース不良だったりと原因は様々ですが、それを突き止めるのは、結構大変で時間がかかる作業です。
トラブルシューティングが長期戦になるかも知れない可能性も考慮して、代車込みでの長期入庫の仮予約を取ったり、レンタカーの手配を念の為しておく。
そんな作業をしながらも、燃料ポンプのコトがどうしても気になる。
ショップに依頼の予約はしましたが、すぐには診てもらえず、入庫は翌月。
まだ3週間以上ある。
それまでに、もう少し独力でがんばりたい。
トラブルシューティングは、原因の可能性を一つ一つ潰していく作業ですが、私の中では燃料ポンプにまず手を付けないと、先に進めなくなってしまってます。
それくらい燃料系、それもポンプ本体が疑わしくて仕方ない。
失火が起きてるので、点火系を疑いたくなるところですが、点火系はすでに確認してるのと、燃料が原因でも失火は起きますし。
燃料が多すぎても少なすぎても、着火には問題があるんですよ。
燃料が多すぎるゆえのカブりは有名ですが。
燃料がちゃんと供給されずにリーン過ぎても、失火って起きるんです。
とにかく燃料ポンプを交換してみないと始まらない。
ポンプ本体は無実だと判明しないと、次のステップには移れません。
まず、1ヶ月前に購入した際のネットショップに相談してみる。
チャイナな偽物を掴まないように、サードと直取引してるショップを選んだんですが、ここにサードへの取り次ぎを相談。
購入したポンプが初期不良品の可能性が高いから、サードから代替品を送ってもらえないか?と、お願いしてみる。
最初はサードも、先にポンプを送って検査してからじゃなきゃダメだ!とゴネてたようですが、販売したショップさんが仲介してくれて、代替品の先送りにようやく同意してくれました。
検査結果がシロだった場合は、先送りされたポンプ代金も支払う、という条件ですが、もちろんOKです。
電話口で対応されたサードのスタッフの方も、週末の交換作業予定に間に合うよう、即日発送してくださいました。
返送用伝票付きで、すぐ到着。
伝票が着払いなのが、良心的。
速攻で交換作業。
つい一ヶ月前にやった作業なので、神速の作業スピード。
ポンプユニット外しの知恵の輪なんざ、10秒で蹴散らして終了。
周辺のクリーニングとユニットの点検に、なんか前回ミスが無かったか慎重に時間を掛けたが、それでも1時間掛からず、再取り付け。
さてと、セルを回しますかね。
キュルキュルキュルキュル・・・ドウン!
ウオッ!普通に掛かった!
そしてこのアイドリングは・・・
普通じゃん!
治ってんじゃん!
Oh My なんてこったい!
けっきょくポンプ本体かい!
やっぱり燃料ポンプでしたよ!
新品の燃料ポンプが、たった1ヶ月で壊れてたんですよ!
これまでも、新品の三菱純正部品が、1年も持たず壊れたりしたことは経験しましたが。
まさかチャイナ製品よりも短命な、サード燃料ポンプに当たってしまうとは。
これはいい経験になりました。
しかし、ポンプを製造してる愛三工業って、トヨタ系列なんですけどねー。
やっぱりもう、メイド・イン・ジャパン・クオリティーなんて過去の話なんですかね。
これで検査に送ったポンプ、シロって結果をもしサードが出したら、ホントにヤバいですね。